シュロ皮の収穫初めが1月5日、有田川町清水地域で行われた。
シュロは、九州南部原産で関東以西に分布するヤシ科の常用高木。樹皮の繊維を、ホウキやタワシ、縄などの材料にするほか、幹は寺院の釣り鐘を打つ撞木(しゅもく)として使われている。
和歌山県は江戸期から昭和初期にかけて全国有数のシュロ生産地だったが、化学繊維の登場で次第に生産者が減少。近年では、柔らかく、弾力性、耐久性に優れた天然素材として見直され、シュロ山を復活する取り組みが行われている。
同町下湯川のシュロ生産者・西脇直次さんは「収穫は樹齢6~7年のシュロに対して約2年周期で行っている。有田川町のシュロは細くて長くて強い。しなやかさもあるため、タワシにすれば身体を洗うこともできるし、ゴミをよく絡ませられることからホウキにも適している」と話す。
紀州産シュロを使った生活用品を製造販売する「高田耕造商店」の高田大輔さんは「タワシはシェフや料理研究家も使ってくれている。ここ10年で紀州産シュロ製品は高価だが良質と認識されてきたので、次の10年は家庭にある当たり前の存在にしたい」と意欲を見せる。
シュロ製品は原商店(近鉄百貨店和歌山店)や海南市物産観光センターなどで販売する。
※西脇直次さんのお名前の漢字に誤りがあったため訂正いたしました(1月7日 16:00修正)