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和歌山のベンチャー企業「グラフィット」 新工場設立に向け協定締結

協定書を手にする(左から)仁坂吉伸和歌山知事、鳴海禎造さん、尾花正啓和歌山市長

協定書を手にする(左から)仁坂吉伸和歌山知事、鳴海禎造さん、尾花正啓和歌山市長

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 折りたたみ式電動バイクを製造・販売する「glafit(グラフィット)」(和歌山市南大工町)の新工場設立を見据えた立地協定が4月9日、和歌山県、和歌山市の三者で結ばれた。

「glafitバイク・GFR-01」を手に説明する鳴海さん

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 同社の「glafitバイク・GFR-01」はペダルを搭載し、ペダルをこいで進むペダル走行、モーターで進むバイク走行、モーターとペダルの両方で進むハイブリッド走行の3種の走行が可能。

 同社は、2017年に製品化のためクラウドファンディングを実施し、当時国内最高額の1億2800万円を超える資金を集めた。2018年11月にはヤマハ発動機(静岡県)と資本業務提携し、約1億円の出資を受けた。2019年2月にパナソニック(大阪府)と共同で電池分野における実証実験を行うと発表し、注目を集めた。

 バイク製造は現在、中国広東省広州市の関連会社などを通じて約200点の部品を調達、深セン市の同社生産ラインで組み立て、和歌山市で日本の道路交通法向けの保安部品の取り付けなど行う。2020年7月からは「ノーリツプレシジョン」(梅原)の敷地内で生産を始める。

 グラフィット社長の鳴海禎造さんは「小型の電動モーターを量産する工場は国内にないので、部品調達は引き続き中国で行うが、和歌山での作業比率を上げていきたい。ノーリツプレシジョンとの業務提携がなければ、和歌山市内に工場を持つことは難しかった。ノーリツプレシジョンはものづくりをしているので、今ある生産設備をお借りしたい。和歌山市に好条件の場所が存在していて、幸運だった」と話す。

 知事室で行われた調印式では、鳴海さん、仁坂吉伸和歌山県知事、尾花正啓和歌山市長が立地協定書にサインした。式典には、同社に出資するヤマハ発動機MC事業本部新ビジネス推進部長の中尾浩さん、紀陽銀行(本町)の日野和彦常務、第三銀行(三重県)和歌山支店長の今村拓矢さん、ノーリツプレシジョン社長の星野達也さんが出席し、協定締結を見守った。

 鳴海さんは「今日集まってくださった支援者の皆さまは、創業者が和歌山市出身のヤマハ発動機など和歌山にゆかりがある。時代を超えて活躍されてきた人たちに、力を貸していただき、次の地域活性化の使命をいただいたと思う。100年続く企業を目指して和歌山で発展したい」と意気込む。

 星野さんは「社外の人が当社工場でものづくりをすることは、刺激になりシナジーがあるので、私たちも楽しみ。お互いに成長できれば」と期待を寄せる。

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