和歌山大学(和歌山市栄谷)の超小型人工衛星「UNIFORM-1」を積んだ「H2Aロケット」が5月24日、鹿児島県の種子島宇宙センターから発射され、市内2カ所でパブリックビューイングが行われた。主催は和歌山大学。
トラットリアバールMIRANO2でランチの後にH2Aロケットの打ち上げを待つ観客
「UNIFORM-1」は、同大が代表を務める「日本主導の超小型衛星網UNIFORMの基盤技術研究開発と海外への教育貢献」プロジェクト(通称=UNIFORMプロジェクト)の1号機。2010年から同大が東北大学や東京大学と共同で開発した。最新鋭の人工衛星ではなく、これまでの研究開発の成果を基にした汎用(はんよう)的な人工衛星だという。山火事を早期発見することが主な役割。大きさは約50センチ四方で、重さは約50キロ。
パブリックビューイングの会場となったイオンモール和歌山(中字楠谷)では、同大宇宙教育研究所副所長の中串孝志准教授が中継を解説し、約300人の観客とともに打ち上げを見守った。同じころ、南海和歌山市駅近くにある「トラットリアバールMILANO2」(板屋町)でも20人を超える観客が店内に集まり打ち上げをカウントダウン。12時5分にロケットが無事に打ち上がると大きな歓声と拍手が沸き起こった。
MILANO2でパブリックビューイングに参加した20代男性は「みんなでカウントダウンをして発射の様子を共有できたのは初めての体験。臨場感とおいしいランチを楽しめた」と話す。「宇宙に関するJAXAや大学の取り組みを知ることができたのも良かった」とも。
14時前には同大キャンパス内にある直径12メートルのパラボラアンテナで「UNIFORM-1」からの信号を初受信。その後26日には、ツイッターを通じて打上後の最大の難関である太陽電池パドルの展開に成功したと発表した。
同大では6月26日、「UNIFORM-1」の運用について解説するイベントを予定する。