屋外調髪イベント「あおぞら美容室」が6月8日、南海和歌山大学前駅前の広場(和歌山市中)で行われた。主催は「菊井鋏製作所」(小雑賀)。
理美容はさみを製造する同社社長の菊井健一さんが、新型コロナウイルスの影響で、美容室の利用者が減少していることを知り、感染対策を施した新しい体験を提供したいと企画。菊井さんの声掛けに市内で活動する4人の美容師が協力した。
当日は、カットとブローを無料で提供。アーケード下の壁に鏡を立てかけ、観葉植物を飾り、4席を設け、1日限りの屋外美容室を開設した。「KISHUCHAYA(きしゅうちゃや)玉林園」(東蔵前丁)の抹茶ラテとほうじ茶ラテをウエルカムドリンクとして提供した。交代でカットしてもらう親子連れなど約30人が訪れた。
市内から親子で訪れた40代の母親は「そろそろカットしたいと思ったタイミングで自粛期間に入った。2月からカットを我慢していたが、梅雨を前にカットできてよかった」と話す。一緒に訪れた10代の娘は「母から聞いたときはどんなイベントか想像がつかなくて、行ってみたくなった。髪が短く軽くなってスッキリした。外でカットすると風が吹いて気持ちいい」と笑顔を見せる。
カットを担当した「2g(ニグラム)」(湊本町)の美容師・寺井ツヨシさんは「自粛期間中は、たくさんのお客さまから、『行ってもいいですか?』と電話があり、気遣っていただいた。店ではドアと窓を開けて営業しているので、それなら外でもやってみようと呼び掛けに賛同した。来店しにくい人たちが足を運んでくれてうれしい。天気に恵まれてよかった」と話す。