暮らす・働く

和歌山で「アトツギベンチャー作戦会議」 先輩経営者と事業継承あるあるを議論

左から山本典正さん、菊井健一さん、山野千枝さん

左から山本典正さん、菊井健一さん、山野千枝さん

  •  

  「和歌山発!アトツギベンチャー作戦会議『家業の経営資源でおもろいビジネス始めよう』」が10月23日、和歌山駅近くの紀陽銀行東和歌山ビル(和歌山市友田町4)で行われた。主催は近畿経済産業局。

「菊井鋏製作所」の菊井健一さん

 同イベントは、新たな産業と雇用を生み出すベンチャーを関西一体となって支援する「関西起業家・ベンチャーエコシステム構築プロジェクト」の一環。若手後継者が先代から受け継ぐ経営資源を生かし、新たな領域に挑戦することを「ベンチャー型事業承継」と位置付け、事業継承の普及・啓発を図る。全国でも関西だけで行われる。

[広告]

 当日は、モデレーターに同局NEXT INNOVATION(ネクストイノベーション)事務局の山野千枝さん、ゲストに和歌山で事業継承した「菊井鋏製作所」(小雑賀)の菊井健一さん、「平和酒造」(海南市溝ノ口)の山本典正さんを迎え、「家業で本当にやりたいビジネスは始められるのか」をテーマに議論した。子どものころに家業と接した思い出や先代との確執、古参の社員との関係づくりなど「アトツギあるある」を交えながら、参加者と熱心な意見交換や質疑応答を行った。

 山本さんは「事業継承の時がビジネスモデルを新しくするチャンス。後継者はただ株式を継承するだけでなく、どういうビジョンを持っていくか、何を自社の強みと捉えて事業展開するかなどを考える必要がある。自分がバトンを渡す立場になったら、この仕事をぜひやらせたいと思えているといいな」と話した。

 菊井さんは「学校から会社に寄って、おやつを食べて家に帰る小学生時代だった。2年前から海外展開という新しい領域に出て、コラボレーションなど今までできなかった展開ができた」と話した。

 山野さんは「20代、30代にとって、ちょっと先行くアニキが経験をシェアしてくれることで、自分もそこに行けると思う若者が増える。今の10代が都会の大学に行っても、アニキが面白がって家業を継いでいる姿をみると地元に戻ってくる。彼らの気持ちを変えていきたい」と話す。

 参加した和歌山市内在住の30代女性は「まだ継ぐかは決めていないが、実家の会社で働いていて跡継ぎ候補は私しかいない。他の経営者コミュニティーでも継承問題について話したことはなかったので、生の声が聴けると期待して参加した。分かっていても日々の業務に追われて、自社の強みを掘り下げて考えるのは難しい。登壇者の行動力が素晴らしく、刺激を受けた」と話す。