海南市の公式フェイスブックページの投稿に「いいね」が集まり、市報12月号で「海ニャンと菓子の街」が5ページ特集される。
「海ニャン」の就任を祝う参加者と和歌山県PRキャラクター「きいちゃん」
「海ニャン」は、2017(平成29)年4月の「第1回かいなんお菓子まつり」で市民団体が公募し、当時小学4年の女子児童のイラストから誕生したネコとタチバナをモチーフにしたキャラクター。同年8月にはクラウドファンディングを活用して着ぐるみを制作。市内の祭りやイベントで活躍してきた。10月18日には、神出政巳海南市長が公式PRキャラクターに任命した。
同市は公式フェイスブックページで市報12月号に「海ニャンと菓子の街」を取り上げると発表。掲載ページ数は投稿の「いいね」数で決定すると投稿したところ、15日間で145いいねが集まり、5ページの特集が決まった。
菓子とミカンを祭る「橘本神社」(海南市下津町)は、田道間守(たぢまもり)が中国から不老長寿のタチバナを持ち帰り、植えたと伝えられる。タチバナはミカンの原種で、その実が日本で最初のミカンとなり菓子となったとされることから、田道間守はミカンと菓子の神として祭られている。
同市は、2018(平成30)年12月に「海南市お菓子の振興に関する条例」を制定。2019(平成31)年2月には「下津蔵出しみかんシステム」が日本農業遺産に認定された。
同市企画財政課の木下智史さんは「市報の特集記事が5ページに及ぶことはめったにない。海ニャンと菓子の街について、詳しく知ってもらえる機会ができてよかった。子どもでも読みやすい紙面構成を心がけたので、家族みんなで読んで、ほっこりしてもらえれば」と期待を寄せる。
海南市観光協会お菓子部会の代表・野田智也さんは「海ニャンが市民の皆さんにかわいがってもらえてうれしい。活躍の場が増えるので、皆さんに元気や笑顔を与え、外から人を呼び込む『招き猫』になれば」と話す。