有田川町など和歌山県内のミカン農園で現在、ミカンの花が次々と開花している。
同町は吉備、金屋地域の山地・平野部でミカンを生産し、県内最大級の生産量を誇る。栽培するミカンは「興津早生(わせ)」や「宮川早生」のほか、同町田口の農家・田口耕作さんが見つけた品種「田口早生」など。
有田地域のミカン栽培は2月、「ミカン栽培を日本で初めて生計の手段に発達させるとともに、ミカン農家・苗木農家・出荷組織が連携し、産地全体で日本一の有田みかん産地を形成・維持してきた」として、農林水産大臣が認定する「日本農業遺産」に登録された。
同町のミカン農家「ナチュラルファーム岩八園」(小川)の岩本功平さんは「今年の開花はほぼ例年通り。開花時期でその年の収穫時期を大体判断するが、開花が早いと糖度が高くなる前に収穫時期を迎える場合がある。ここ数年、開花の早い年が多かったので喜ばしい」と話す。「当たり前で気にしていなかったが、ミカンの花の香りに包まれることも産地ならではで幸せなことだ。たくさんの人に甘い香りを体験してもらえれば」とも。