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和歌山県立自然博物館で報告例の少ない「シロコバン」展示 紀伊水道で捕獲

和歌山県立自然博物館で展示中のシロコバン(写真提供=和歌山県立自然博物館)

和歌山県立自然博物館で展示中のシロコバン(写真提供=和歌山県立自然博物館)

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 コバンザメ科の海水魚「シロコバン」が8月18日、和歌山県立自然博物館(海南市船尾、TEL 073-483-1777)で公開された。

体の約3分の1を占める背びれが変化した小判型の吸盤

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 シロコバンは、体長が最大でも20センチ程度のコバンザメの仲間。体色は白から灰色の模様を帯びた個体まで知られ、背びれが変化した小判型の吸盤は体の約3分の1にもなる。海外ではインドや太平洋の暖かい海で見られる。全国的に報告例は少なく、これまで青森県、千葉県、新潟県、島根県、山口県、長崎県、鹿児島県、相模湾、土佐湾、富山湾などで散発的に見つかっている。和歌山県では、1924(大正13)年に宇井縫蔵が「紀州魚類図譜」に記録して以来、報告例は無かった。

 展示された個体は8月6日、紀伊水道の水深250~280メートルでイトマキエイ類と一緒に採取された。

 同館学芸課長の平嶋健太郎さんは「県内では標本に基づく記録はなく、とても珍しい。ぜひ動いている姿を見てほしい。背びれが変化した吸盤でほかの生物に張り貼り付いているので、私たちが見る姿はシロコバンの腹側というのも注目ポイント」と話す。「シロコバンはコバンザメよりも小さくふっくらしてかわいい。現在、コバンザメの幼魚と同じ水槽で飼育しているので、見比べてもらえたら」とも。

 開館時間は9時30分~17時。月曜休館。入館料は480円(65歳以上、高校生以下無料)。

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