紀の川市産のモモを使ったクラフトビール「もものエール」の販売が9月1日、紀の川市内で始まる。
和歌山県は日本有数のモモの生産地で、同市のモモの生産量は県内の7割を超える。中でも「あら川の桃」で知られる桃山町は、江戸時代からモモの栽培が続いている。
同ビールは、同市と特産品相互取扱協定を結ぶ大阪府泉佐野市が、両市の特長を生かした地域経済活性化モデルとして取り組む共同事業の商品。活用しきれていない規格外のモモを原料とし、2020年7月にオープンした「泉佐野ブルーイング」(泉佐野市)でビールを製造する。
ビールには、酸味が少ない「白鳳(はくほう)」を使う。初期工程でモモを加え、さらに熟成過程でモモを漬け込む2段階仕込みでモモの香りを引き出す。
紀の川市商工労働課の岩橋勧さんは「エールビールのほどよい苦みとモモのコクと香りが感じられる仕上がり。今後はハッサクなどほかの特産品を使ったビールも開発したい」と話す。「『もものエール』を酒店や飲食店が取り扱うことで、若い世代が酒店を訪れたり、飲食店に客が戻るきっかけになったりと、コロナ禍で落ち込む地域経済の活性化に少しでも寄与できれば」とも。
価格は330ミリリットル入り=770円。紀の川市内の酒類販売店で販売する。