南海電鉄加太線で9月18日、観光列車「めでたいでんしゃ かしら」の運行が始まる。
同列車は、2014(平成26)年11月に始まった「加太さかな線プロジェクト」の一環。外装を魚に見立ててラッピングした車両は、ピンクの母「さち」、水色の父「かい」、赤い娘「なな」に続く4編成目。かしらは、長い旅に出ていたさちの兄。和歌山出身のミュージシャンHYDEさんとコラボレーションし、音楽の要素も盛り込む。
「海賊船の船長」をイメージした同車両は、外装はひげを生やし、眼帯を付けた黒い魚。車内は、音楽好きな海賊たちの船内をイメージ。迷路やコンパス、ピアノ鍵盤柄の座席シート、魚や音符、鍵型のつり革など、音楽や宝、冒険をモチーフにした装飾を施す。扉の前に立つと海賊に見えるガラスペイントや手配書風の写真が撮れる日よけなど、車内外から楽しめるフォトスポットを用意する。車窓には、加太地域で歌われている民謡「加太の鯛」、西脇小学校の児童が作詞作曲した「さちとかい」の五線譜を描く。そのほか、加太さかな線の7駅に由来する「ご利益マーク」が隠され、扉の上のポスターにマークを探すヒントを示すなど、宝探しも楽しめる。
金色のギターピックをうろこに見立てたタイのオブジェ「しあわせを奏でるめでたいオブジェ」2匹のうち1匹には、HYDEさん提供のピックを展示する。そのほか、HYDEさんのロゴマーク「h」をヘ音記号に見立てたマーク、ジャンプするシルエットなど、HYDEさんとのコラボで実現した装飾も施す。
企画を担当した南海電鉄の佐々木亮さんは「現在運行中の特急『HYDEサザン』は期間限定なので、HYDEさんを全面に押し出し、インパクトがあるデザインにした。かしらはずっと走る電車なので、めでたいでんしゃの世界観を壊さないよう配慮している。HYDEさんのファンにも楽しんでいただけるように、HYDEさんからアドバイスをいただき『隠れHYDE』要素を盛り込んだ」と話す。
加太駅長代理の山本和令さんは「加太は海や魚料理が有名だが、山もある自然豊かな街。ぜひ一度足を運んでいただいて、巡ってほしい。めでたいでんしゃで道中も楽しんでいただいて、加太観光を楽しんでいただければ」と呼び掛ける。
18日の第1便は9時55分の和歌山市駅発の下り。上りは10時27分加太発。