「ホステルのアサ」（白浜町、TEL 0739-42-2245）が「ホテルフリーゲート」からリニューアルし2カ月がたった。経営は「フリーゲート白浜」（同）。

ワーケーションにも対応するフリースペース

　衣料品ブランド「mystic」や雑貨店「3COINS」など多数のブランドを展開する「パルグループホールディングス」（大阪府）が、障がい者を雇用する特例子会社を設立し、2011（平成23）年に開業した同ホテル。パルグループホールディングス会長で創業者の井上英隆さんの妻で御坊市出身の英代さんが、「地元に恩返ししたい」とおかみとして同ホテルを切り盛りした。コロナ禍で経営が悪化し2020年11月に休業したが、孫の真央さんがフリーゲート白浜の社長に就任し、リニューアルした。

　同施設は、和室が15室、洋室2室、和洋室が3室、2DKが2室の合計22室。和室をリニューアルしたコンセプトルームやユニバーサルデザインの風呂トイレを備える和洋室などを用意する。大浴場は、源泉かけ流しの天然温泉。朝食には、姉妹旅館「浜木綿くろしお山荘」の料理長が作る和食を提供する。ロビーの隣には、宿泊者が利用できるフリースペースを設け、ワーケーション需要に対応する。

　真央さんは、留学時代の友人で住宅リフォームを手掛ける会社に勤めていた邉木薗万那さんをパルグループホールディングスの経営企画室に迎え入れ、共にDIYで改装。ロビーはコンクリート打ちっぱなしに一新、そのほかコンセプトルームを設置する。ロビーに設置する家具はグループ会社で不要になった家具を再利用する。

　真央さんは「8年働いてくれた従業員もいる。観光地の立地を生かし、事業を立て直し、皆さんに恩返しをしたい。本社の障がい者雇用担当者にも入ってもらい、サポート体制を強化した。従業員の皆さんがやりがいを感じながら仕事をするのが一番。仕事が楽しいと言ってくれて、笑顔が戻ってきてうれしい」と話す。「学生時代に邉木薗さんと『さまざまな人が交われる場所を作りたい』と話していた。地域の皆さま、障がいのある人、幅広い年代の人、ワーケーションで訪れる人など、さまざまな人が集まれる場所にしたい」と意気込む。