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和歌山市民図書館で「紀州の山椒展」 和歌山大学が科学的に解説、産地の課題紹介も

シンポジウムでの講演やパネル解説を行う三谷隆彦さんと「紀州の山椒展」のパネル

シンポジウムでの講演やパネル解説を行う三谷隆彦さんと「紀州の山椒展」のパネル

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 パネル展&シンポジウム「紀州の山椒(さんしょう)展」が3月7日から、和歌山市民図書館(和歌山市屏風丁、TEL 073-432-0010)で始まる。和歌山大学紀伊半島価値共創基幹食農総合研究教育センター(栄谷)と同館の共催。

有田川町で栽培される特産品ブドウサンショウ

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 同展は、和歌山県が全国の生産量の約6割を占める特産品のサンショウを科学的に知ってもらい、栽培農家の高齢化など産地が抱える課題と新たな取り組みを紹介する。

 パネル展では、サンショウの栽培と収穫時期の違いによる特徴や利用方法、サンショウの植物分類や辛味成分の科学的解説、塩味増強効果等に関する研究成果、主要生産地の現状と課題などを紹介する。7日、13日、19日にはサンショウを研究する三谷隆彦客員教授がパネル解説を行う。

 12日には「紀州の山椒について考える 山椒の科学、生産地の存続と活性化」をテーマにシンポジウムを開催。前半は三谷さんと摂南大学の戴容秦思講師が講演。後半は、県農業生産局の西森裕夫局長と和歌山大学の植田淳子特任助教、有田川町の「ぶどう山椒」振興担当者、紀美野町のサンショウ生産者がパネルディスカッションを行う。

 三谷さんは「サンショウ栽培は長い歴史があるにも関わらず、ウナギにかけたり漢方薬にしたりするくらいで用途が限定されている。サンショウの辛味成分は粉末にすると変化してしまうのが課題だが、これを安定化できれば、サンショウが持つ塩味増強効果やだ液分泌促進などさまざまな機能性を生かした用途の広がりが期待できる」と話す。「展示では日本と中国のサンショウの違い、唐辛子などの香辛料との違いも科学的に分かりやすく解説している。地元の特産品を知り、サンショウの新しい使い方なども一緒に考えてもらえたら」とも。

 開催時間は9時~21時。 3月20日まで。シンポジウムには同館で配布する参加券が必要。

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