JR西日本の観光特急列車「WEST EXPRESS(ウエストエクスプレス)銀河」紀南コースの運行が9月1日、始まった。
同列車は2020年に京都駅~出雲市駅間と大阪駅~下関駅間で運行開始。停車駅と車内で特産品販売や伝統芸能の披露などの「おもてなし企画」を提供する。117系電車を改造した6両編成で運行し、1両ごとに異なる座席を配置。紀南コースは、2021年に初運行し、今年で3年目。昨年は京都駅発新宮駅行きの夜行列車と新宮駅発京都駅行きの昼行列車36往復・72本を運行し、約3000人が乗車した。今年も同様に36往復する。
夜行列車では、橋杭岩の景観観賞や車内での熊野曼荼羅(まんだら)絵解き、ジオガイドなどを用意する。和歌山大学生が作成した沿線ガイドブック「うみえるマップぷらす」を車内で配布するほか、学生が車窓景観を案内する特別運行もある。串本駅で提供する朝食では、マグロやマダイ、ジビエソーセージなどを使った料理を提供する。
昼行列車は、新宮駅出発を13時に繰り下げ、現地滞在時間を増やした。新宮駅~串本駅間では、4号車のフリースペースで銀河とコラボした地元特産品を販売する「銀河熊野マルシェ」を開催。紀伊田辺駅~和歌山駅間では同スペースで和歌山の特産品の販売、地域の魅力PRイベントなどを日替わりで開く。串本駅、周参見駅、海南駅ではコンコースや併設施設で地元の名物や銀河限定オリジナルグッズなどを販売する。
昨年までのチケット販売窓口は旅行会社だったが、今年は在来線特急列車と同様にJR西日本ネット予約サービス「e5489」や全国のみどりの窓口、みどりの券売機で販売する。
JR西日本和歌山営業部の新家華子さんは「運行初日から天候に恵まれ、車内から海を眺めたり写真を撮ったりする乗客が多かった。きのくに線の魅力は車窓を流れる美しい景色。紀南ならではの雄大な景色を楽しんでほしい」と話す。「地元のおもてなしをより充実させ、紀南を楽しんでもらえる列車になった。銀河の旅で紀南ファンを増やしたい」とも。
運行は来年3月3日まで。全席指定。