前・和歌山県福祉保健部技監の野尻孝子さんが8月31日、エッセー「“和歌山方式”を生んだ新型コロナとの連戦に思う」を「ぎょうせい」(東京都江東区)から刊行した。
野尻さんは和歌山県立医科大学出身の医師。小児科臨床医を経て、1991(平成3)年から和歌山県立御坊保健所に勤務した。2013(平成25)年から県福祉保健部健康局長を務め、2018(平成30)年から県福祉保健部技監。3月に県庁を退職した。
同書は、県内で新型コロナ感染症が確認された2020年から技監退職まで、野尻さんが感染症対策の陣頭指揮を執った3年間を振り返り、執筆した。
野尻さんは「新型コロナウイルス対策が始まった時から、帰宅後に毎日A4用紙1枚分、その日にあったことや感じたことを記録してきた。本書は、その記録を基にまとめた。毎日書き残していたから思い出せたリアルな感情をつづった。今後、新たな感染症などが流行することがあった時にも資料としても使っていただける」と話す。「県民の皆さまへの感謝の思いも詰めた。私が新型コロナウイルスと戦った『実際の記録』と『心の記録』を読んでほしい。皆さまの次の一歩につながれば幸い」とも。
210ページ。価格は2200円。