移動式小型パイプオルガン「ポルタティフオルガン」のお披露目コンサートが10月22日、音楽サロン「リュスモーネ」(橋本市柏原)で開催される。
同オルガンは37鍵盤と37本のパイプを備える。パイプオルガンは1本のパイプで1音を発し、同オルガンは37音を奏でる。音の高さは4「フィート律」。本本体は木製で幅1メートル、金属製のパイプを含めた高さは2メートルほど。
オルガン所有者でリュスモーネ代表の木下加寿子さんによると、同オルガンはドイツの「ボッシュオルガン工房」が1975(昭和50)年ごろに製作した物という。1980(昭和55)年に東京で開催された「ムジークメッセ」に出展され、1992(平成4)年ごろから、製作者ミヒャエル・ボッシュさんの妻でオルガン奏者の臼井真奈さんが所有し、京都のピアノ教室に預けていた。5月に木下さんが譲り受けた。
木下さんは全国各地でコンサートを開く音楽家。同サロンでは、ピアノやヨーロッパの打弦楽器「ハンマーダルシマー」などの楽器教室のほか、コンサートなどを開いている。
お披露目コンサートの演目は、ハインリヒ・イザークの「インスブルックよ、さようなら」、バッハの「マタイ受難曲」よりコラール、ギヨーム・デュファイの「キリエ」など。木下さんがオルガンとハンマーダルシマーを演奏し、ソプラノ歌手・谷野裕子さんが歌う。
木下さんは「このポルタティフオルガンの存在は15年前から知っていた。同じような小型のオルガンを探していたところ、縁があり、譲り受けた。即興の演奏が合うオルガン。『ド』の音から3オクターブしか出せないため、演奏できる曲が限られ、編曲が必要になる。電子オルガンとは音の響きが異なる。生音を楽しんでもらえれば」と話す。
14時開演。入場料は、大人=1,500円、中学生以下=500円。