和歌山城を再現したオリジナルマップが12月21日、オンラインゲーム「Fortnite(フォートナイト)」内に登場した。
ゲーム「フォートナイト」内に「和歌山城マップ」公開 再建時の図面参考に
バス・タクシー会社「ユタカ交通」(和歌山市中之島)と一般社団法人「和歌山新城下町DMC」(同)が立ち上げた「メタバース和歌山実行委員会」の初の取り組み。仮想空間での体験を通して同県への関心を高め、観光客誘致を目指す。プロジェクト第1弾として制作したマップは、1958年(昭和33)に和歌山城を再建した際の図面を参考にしている。天守閣のほか、石垣や城内の道などを再現した。ゲーム内で、天守閣の内部に入ったり、屋根に登ったりできる。
同ゲームは、米「エピックゲームズ」が2017(平成29)年に公開した複数人で遊べるアクションゲーム。PCや家庭用ゲーム機、スマートフォン、タブレットなどさまざまな端末に対応し、同社によれば、登録者数は世界で5億人を超えるという。
21日、同実行委員会は和歌山市役所で開いた記者会見で、「メタバース和歌山」の概要説明やフォートナイト「和歌山城」のデモンストレーション、トークセッションを行った。
ユタカ交通の豊田英三社長は「アニメ・マンガ・映画などの舞台に海外から人が集まっている。忍者など和歌山にあるコンテンツを生かしたい。観光地に人が集まり、おいしいものを食べ、宿泊し、移動する。インフラ事業者として、和歌山に来る人や地元の人の移動を支えたい」と話す。「来年1月には、背景に和歌山城や那智の滝が見え、ビルの上に巨大パンダが座り、クジラが空を泳ぐなど、仮想を織り交ぜた和歌山駅前マップを公開する。その後は和歌山市の繁華街・アロチのマップを制作したい。単に和歌山の街を再現するだけではなく、新しいものを作っていきたい」と意気込む。
和歌山新城下町DMCの西平都紀子会長は「子どもから高齢者、障害者までさまざまな人に楽しんでもらえるコンテンツになった。仮想空間で和歌山駅、和歌山城など市の中心地に来ることをきっかけに、全世界の人に実際に和歌山へ足を運んでもらえれば」と話す。
今後は、吉本興業(大阪市)所属の芸人・小籔千豊さん主催のオンラインイベントとの連動、南海電鉄(同)が運営するeスポーツ施設でのイベント「和歌山マッチ」の開催などを予定する。