「福開き速駈詣(はやがけまい)り」が1月8日、紀三井寺(和歌山市紀三井寺)で開催された。和歌山で活動するランニングチーム「汗濁(あせだく)大学アスリートクラブ」と同寺の共催。
参加者が一年の無事を願い、新たな決意をささげる「速駈詣り」は今年で7回目。楼門から本堂まで続く石階段「結縁(けちえん)坂」の210段を2人ずつ駆け上がる。参加者には速駈証を渡し、本堂参拝後は寺務所で当日限定の御朱印を授与する。タイムを測定し、最も速い男女に「福結び速駈王」「福結び速駈姫」、最高齢者を「健脚王」として表彰するほか、10代未満から70代までの年代別表彰も行う。
開会式で前田泰道住職が「当寺は竜宮の乙姫と縁があるといわれ、境内のあちらこちらに竜の彫り物や絵などが描かれた竜の寺でもある。新春の竜の寺の境内に新たな良い運気を呼び込んでいただき、それぞれが昇り竜のごとき人生の階段を駆け上る一年の始まりにしてもらいたい」とあいさつした。
県内外からエントリーした6歳~85歳の149人がタイムを競った。陸上部の中高生、病院や企業の有志チーム、サッカー選手のほか、視覚や運動機能に障がいがある人など、さまざまな人が階段を駆け上がった。たつ年にちなみ出走者は、恐竜の着ぐるみやかぶり物、ふんどしや阪神タイガースのユニホーム、全身タイツといった姿で走り、会場は声援や拍手、笑い声に包まれた。
「福結び速駈王」は、24秒59のタイムで3連覇を果たした石田諒太さん。石田さんは「目標通り3連覇を果たせてうれしい。今年は長男・長女の親子3人で参加した。子どもたちの成長を見守りながら、来年は23秒台を目指したい」と話す。
昨年に続き「福結び速駈姫」に輝いた柴田友香さんは「当日まで誰が相手になるか分からず、いつ追い抜かれるかとドキドキしながら走った。寒くて体がうまく動くか心配だったが、前傾姿勢を意識して最後まで走り抜いた」と話す。「来年は自己ベスト更新と32秒台を目指したい」とも。