JR海南駅構内の交流スペースにピアノが設置され、7月27日で5年がたった。
同ピアノは、2019年に楽器店を経営する「エコー楽器」(海南市阪井)の栄川光彦社長が、県外の「駅ピアノ」の取り組みを知り、海南市観光協会に提案し、設置したもの。
設置場所の床や壁が硬く、音がよく響くことから、ピアノの背面に防音用のフェルトを貼り、他の楽器との合奏や大音量での演奏を控えるなど、利用に当たってのルールを掲示する。子どもが触れることも考慮し、鍵盤のふたがゆっくり下がるよう安全装置を取り付けるなど、安全面も配慮する。
同協会の柳瀨充男事務局長によると、設置以来トラブルはなく、駅利用者が演奏するほか、ピアノを弾きに訪れる人、演奏動画をインターネットで発信する人もいるなど、幅広い世代の人に親しまれているという。2023年6月の線状降水帯による被害では駅構内も浸水したが、ピアノ内部には水が入らず、損傷はなかった。
柳瀨さんは「定期的に駅を利用する人が『ピアノを弾くことが楽しみ』と言ってくれたり、学生が友人同士で演奏したり、たくさんの人が楽しんでいる。温度や湿度の変化があったり、ほこりが立ったり、ピアノにとって最適な環境ではないが、皆さん大事に弾いてくれてありがたい」と話す。
交流スペースの開放時間は6時30分~22時30分。