和歌山市出身のフェンシング選手・東晟良(あずませら)さんが8月26日、和歌山市役所で「第43回和歌山市スポーツ賞 スポーツ特別栄誉賞」を授与された。
東選手が銅メダルを獲得した8月2日に和歌山市役所が設置した横断幕
東選手は、「パリ2024オリンピック」にフェンシング女子フルーレの選手として個人・団体に出場。個人で19位、団体では日本フェンシング女子で初となる銅メダルを獲得した。団体戦3試合に出場し、チームの勝利に貢献した。
東選手は、フェンシング選手だった母・美樹さんの影響で、小学4年から姉・莉央さんと共にフェンシングの練習を開始。和歌山県立北高校を卒業後、日本体育大学に進学し、現在は「共同カイテック」(東京都渋谷区)に所属する。東京2020オリンピックには、莉央さんと共に出場し、女子フルーレ団体6位の成績を残した。
同市は、スポーツ振興に貢献し、功績のある個人や団体を表彰するため、1982(昭和57)年に「和歌山市スポーツ賞」を制定。2006(平成18)年には「スポーツ特別栄誉賞」を創設した。同賞の授与は2013(平成25)年の真道ゴーさん以来、11年ぶり7人目。
授賞式で盾形の表彰状と記念品のトロフィーを手渡した尾花正啓和歌山市長は「パリ五輪での快挙は市民や子どもたちに大きな勇気と感動を与えてくれた。市としても大変うれしく誇りに思う。市の歴史にも刻みたい。これからもさらなる高みを目指してほしい」と感謝と激励の言葉を送った。
東選手は「生まれ育ち、フェンシングを始めた和歌山で、たくさんの人にメダルを見せて、感謝の気持ちを伝えることができてよかった。『メダルを持って帰ってくる』と言って出発したので、有言実行できてホッとしている」と笑顔を見せる。「姉妹で東京五輪に出られた喜びは忘れられない。次はメダル獲得の喜びと姉妹での出場の喜びを同時に味わいたい。ロサンゼルス五輪に向かって一から頑張って金メダルを目指すので、これからも応援してもらえたら」とも。
スポーツをする子どもたちに向け、東選手は「小さい頃から競技を始めることは大事。世界で活躍できるチャンスが増える。つらいこと、心が折れることも何回もあるが、勝った時はその苦しさも忘れられる。夢に向かっていけばチャンスは必ずある」とエールを送る。