世界遺産・丹生都比売神社が37年ぶりの正遷宮-2色の朱色を再現

平成の遷宮が行われる丹生都比売神社の楼門

平成の遷宮が行われる丹生都比売神社の楼門

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 かつらぎ町の「丹生都比売(にうつひめ)神社」(伊都郡かつらぎ町上天野、TEL 0736-26-0102)が11月15日、37年ぶりの遷宮を行う。遷宮とは、神社の正殿を造営したり修理したりする際、御神体を遷(うつ)すこと。

外鳥居から中鳥居を繋ぐ朱色の輪橋

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 丹生都比売神社の歴史は古く、1700年前に建てられたと伝えられる。丹生都比売大神は天照大神の妹にあたる稚日女命(わかひるめのみこと)の別名。全国に180以上あるとされる丹生都比売大神を祭る神社の総本社で、2004年には国際連合教育科学文化機関(ユネスコ)の世界遺産に「紀伊山地の霊場と参詣道」として登録された。

 宮司の丹生晃市さんは「海外の方に高野山・金剛峯寺になぜ社があるのかよく聞かれる。もともと高野山は当神社の神領であり、弘法大師に土地を譲ったと伝えられている。今でも多くの高野山の僧が参拝している」と、真言宗との関係について話す。

 造営は2013年4月、4つある本殿の第一殿、第二殿から着工。続いて第三殿、第四殿の工事も行われ、4つの本殿が完成した。主な作業は檜皮(ひわだ)葺き替え、彩色塗り替えなど。遷宮は、完全に日が落ちた15日20時から行い、16日には遷宮を祝う奉幣祭を開催する。

 「江戸時代末期までは20年ごとに造営が行われてきたが、今回は37年ぶり。本殿の屋根は春日造りで、日本最大を誇る。本殿には女性の神をお祭りしているため鮮やかな朱色となっている。今回、社殿の塗りを調査したところ、雨に濡れない軒周りは鉛丹系の明るい赤、本殿は弁柄系の落ち着いた赤で塗られていたことがわかったため、この2色を再現した」と丹生さん。

 現在、平成の遷宮を記念したイベントを開催している。鉄道会社と県が実施する観光キャンペーンの一環として、土・日・祝は本殿特別拝観を実施。11時30分~、14時30分~の2回で、定員は40人。初穂料は1,000円。12月13日まで。関連イベントとして、16日まで和歌山市のフォルテワジマ2階展示スペースで丹生都比売神社写真展も開かれている。

 遷宮が行われる本殿遷座祭は15日20時~。16日は奉幣祭が10時~、舞楽奉納11時30分~、最後は餅まきで12時30分~。

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