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かつらぎの「中飯降遺跡」で学習会 型取りした大型竪穴建物跡を裏から見学

繊維強化プラスチックで再現した直径2メートルの主柱穴の裏側

繊維強化プラスチックで再現した直径2メートルの主柱穴の裏側

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 縄文時代の竪穴建物跡がある「中飯降(なかいぶり)遺跡」(かつらぎ町中飯降)の現地学習会が12月1日、行われた。主催はかつらぎ町。

移築した「中飯降遺跡」を見学する地域住民ら

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 同遺跡は、縄文時代後期(約4000年前)から中世にかけての集落。2008(平成10)年から2009(平成11)年の京奈和自動車道建設に伴う発掘調査で大型竪穴建物4棟が発見された。竪穴建物は直径15~18メートルで、広さは180平方メートル、高さは12メートルほどあった。そのうちの1棟を繊維強化プラスチック(FRP)やシリコン、ポリエステル樹脂などを使い、立体剥ぎ取りし、2016(平成28)年8月から2017(平成29)年2月にかけて隣接地の高架下に移設復元した。

 同町によると、建物の構造から、大家族の住居か集会所と推測され、九州地方など他地方の特徴を持つ土器の出土からも、同遺跡は当時の集落の拠点であった可能性があるという。

 当日は13時と14時に2度の学習会を開催。13時の回には市内外から家族連れなど、さまざまな世代の参加者15人ほどが集まり、遺跡の剥ぎ取り、移設、復元などの工程の説明を受けた。初の試みとしてはしごを使って地下に下り、FRPなどで再現した建物跡を裏側からも観察した。

 地下に下りた参加者らは「暖かい」「大きい」など驚きの声を上げた。町生涯学習課の和田大作さんは「西日本最大規模の竪穴建物なので、移設復元のための立体剥ぎ取りは大変な作業だった」と話す。

 2025年3月19日~23日には「天野地域交流センターゆずり葉」(下天野)で、町文化拠点施設開館を記念し、同遺跡で発掘した土器や資料を展示する。

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