
幕末から明治にかけて活躍した和歌山市出身の政治家・陸奥宗光を描いた風景印の使用が3月14日、和歌山市内の郵便局6局で始まった。
1971(昭和46)年8月24日に和歌山市立岡公園に建立された「陸奥宗光先生乃像」と、2016(平成28)年に外務省から寄贈されたサクラの木を描いた同風景印。岡公園周辺の和歌山堀止郵便局、島崎郵便局、鷹匠郵便局、吹上郵便局、葦原郵便局、広瀬郵便局の6局で使う。
風景印は郵便局の消印の一種で、全国1万局以上の郵便局に設置される風景印には、所在地にゆかりのある風景や名所、特産品等を描いた図柄がある。
昨年5月、「『陸奥宗光 外務大臣』の功績を教育に活かす実行委員会」副会長の臼井康浩さんが、宗光の出身地区の和歌山市立吹上小学校と岡公園がある広瀬小学校の2校で行った特別授業がきっかけ。授業参観をきっかけに地域の郵便局とつながりが生まれ、宗光像の風景印を提案した。
臼井さんは「全国的にも6局で使われる風景印は珍しく、初日からたくさんの人が風景印を求めて郵便局を訪れた。風景印に描かれたサクラは、実際はまだ小さく、成長した未来の姿をイメージした」と話す。「宗光伯爵が和歌山出身者と知らず、岡公園に像があることも知らない子どもたちが多い。坂本龍馬の遺志を継ぎ、武力ではなく、話し合いで外国と渡り合い、近代日本を支えた偉人のことを、たくさんの人に知ってもらえたら」とも。