和歌山県立和歌山工業高校(和歌山市西浜)の生徒たちが作った「カイロスロケット」の金属製の模型が12月21日、「きのくにロボットフェスティバル」で御坊市立体育館(御坊市薗)に展示される。
「ソラミル」寄贈した「H3ロケット」と「H2A」ロケットの模型
カイロスロケットは、「スペースワン」(東京都港区)が開発し「スペースポート紀伊」(串本町田原)から打ち上げを目指す小型衛星打ち上げロケット。同模型は10分の1サイズで全長は1.8メートル、重量は約60キロ。模型を飾る台座に2つのボタンがあり、それぞれのボタンを押すと台座円周部分が光ったり、回転したりする。同校産業デザイン科3年の課題研究授業で取り組む「飛べカイロス応援プロジェクト」に参加する生徒たち8人が製作した。
同プロジェクトは、地域住民に宇宙ロケット事業に関心を持ってもらうことを目的に、ロケット模型の3機連作を計画。昨年度、宇宙航空研究開発機構(JAXA)の「H2Aロケット」「H3ロケット」の2機を製作し、宇宙ふれあいホール「Sora-Miru(ソラミル)」(串本町西向)に寄贈している。
高井正人教諭によると、生徒たちは模型サイズの計算から着手。ロケットのイラストを拡大コピーして型紙を作り、鋼板を切り出した。鋼板の曲げ、溶接、研磨、塗装などの工程を経て、カッティングシートで装飾を仕上げたという。
参加した生徒たちは「初めて使う機械もあり難しかったが、ほかの生徒と協力して取り組み、完成できてよかった」「工業高校らしい体験を通じたものづくりは楽しかった」と笑顔を見せる。
高井教諭は「生徒たちは息を合わせ、自分ができる仕事を見極める力があった。人と協力すれば個人の力を超えたことができる。この経験を社会で生かしてほしい」と話す。「それぞれが責任感を持って丁寧に作業し、素晴らしい作品が完成したので会場へ足を運んでもらえたら」と呼びかける。
模型は展示終了後、2026年1月13日に「ソラミル」に寄贈する。