和歌山で「進撃のモササウルス」展-全身骨格の復元目指す

鳥屋城山から発掘されたモササウルス類の右前足

鳥屋城山から発掘されたモササウルス類の右前足

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 和歌山マリーナシティ近くの和歌山県立自然博物館(海南市船尾、TEL 073-483-1777)で2月1日、2006年に有田川町鳥屋城山(とやじょうさん)から発掘された生物の化石を展示する企画展「進撃のモササウルス」が始まる。

さまざまな化石が展示されているコーナー

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 モササウルス類は、中生代白亜紀後期(約8000万年~7000万年前)に生息した海生爬虫(かいせいはちゅう)類の一種で、現在のトカゲやヘビに近い生き物。大型でヒレ状に進化した足と鋭い歯を持ち、魚のほか小型の首長竜やウミガメを襲うこともあったという。約6600万年前に絶滅し、その化石は世界中から30属60種以上が発見されている。

 和歌山で同化石が初めて発掘されたのは2006年。当時京都大学の大学院生が発見した。その後2010年12月~翌年3月に大掛かりな発掘調査を行い、約3メートル×1メートルの範囲に多数の骨化石が埋まっているのを発見。見つかった化石はほぼ全て同一個体由来のもので、上半身のほとんどの骨が保存されているという。これまで全国で40例ほど見つかっているが歯など一部分のものが多く、日本のモササウルス類としては初めて精度の高い全身骨格の復元を期待されている。

 発掘された化石は現在、金屋中学校でクリーニングと呼ばれる余分な石を取り除く作業が行われている。発掘後4年間で約7割のクリーニングが終わったという。「鳥屋城山の石は硬いうえ、骨と石が密着しているので、骨が壊れないように取り出すのが大変」と、学芸員の小原正顕さんは苦労を語る。

 「今回の展示では化石のクリーニング室を再現した。なかなか見ることのない発掘された化石がきれいなっていく過程を見てもらえれば」と小原さん。「これまでにクリーニングした化石を復元すると2メートルくらいの大きさになる。ぜひ実物の大きさを見て感じてほしい」とも。

 開館時間は9時30分~17時(入館は16時30分まで)。月曜休館。入館料は470円(高校生以下無料)。

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