和歌山の興国寺で恒例の茶せん供養-県内の茶人200人が参列

穂先の折れた茶せんを手にした茶人が列をなした

穂先の折れた茶せんを手にした茶人が列をなした

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 「開山(かいさん)」の通称で親しまれる「鷲峰山(じゅうぶざん)興国寺」(日高郡由良町門前)で3月22日、「茶せん供養」が行われ、県内の茶人200人が参加した。施主は表千家同門会和歌山県支部。

供養の後、参列者をもてなす茶席が開かれた

 鎌倉時代に臨済宗の僧「心地覚心(しんちかくしん)」(法燈国師)が真言寺院から改宗し開山した同寺。1247(建長元)年、中国・宋に渡り禅を学んだ覚心は、座禅呼吸法の一環として尺八を学び日本に持ち帰ったほか、しょうゆ発明の原点と言われる「径山寺みそ(金山寺みそ)」の製造方法も持ち帰り、和歌山県がしょうゆ発祥の地と呼ばれる由来にもなったことで知られる。

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 この日は、先端部が折れやすく消耗品として扱われる「茶せん」の故障品を参列者が持ち寄り、本堂で茶菓子を供えて読経を行った後、境内の茶せん塚で、列をなした茶人らが茶せんを火にくべ手を合わせた。

 同法事は、1992年の改修工事で茶せんが焚き上げできる供養塚を屋外に作って以来、隔年で春と秋に交互開催している。茶道では季節を大切にすることから「趣(おもむき)」を楽しむため季節を変えているという。

 同会副支部長の石井敏子さんは「茶道ではさまざまな道具を使うが、その一つ一つを大切にする。茶せんはおいしいお茶をたてるためには欠かせない大切な道具。役割を全うしてくれた道具に感謝の念を込めてお祈りした」と話す。

 供養の後は、同会が参列者をもてなす茶席を開いた。日高高校茶道部による呈茶(ていちゃ)席も設けられ、部員たちが日頃の稽古の成果を披露した。

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