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和歌山の老舗和菓子店「駿河屋」が営業再開-まんじゅう4000個、1時間で完売

和歌山市駿河町の「駿河町本舗」で、開店初日にできた行列の様子

和歌山市駿河町の「駿河町本舗」で、開店初日にできた行列の様子

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 和歌山の老舗和菓子店「駿河屋」(和歌山市駿河町、TEL 073-477-7151)が3月24日、10カ月ぶりに営業を再開した。経営は新会社「総本家駿河屋」(和歌山市小倉)。

「駿河町本舗」の店頭で来店客を出迎える岡本良太社長

 同店は1461(寛正2)年、京都・伏見で岡本善右衛門が「鶴屋(つるや)」の屋号で創業した和菓子店。紀州家御用菓子司を代々務めた歴史を持つ。看板商品は、ようかんの元祖として伝統の味を持つ「練りようかん」と当初のまんじゅう処から続く「本ノ字饅頭」。2014年5月29日に破産手続きを行い事業を停止、閉店していた。

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 開店当日には朝早くから地域住民が駆け付け、60人を超す行列ができた。開店時刻の12時に岡本社長が店頭にのれんをかけ、「10カ月も店を閉めてしまいましたが、無事本日再開することができました。いらっしゃいませ」とあいさつすると、来店客らから大きな拍手が起こった。

 開店と同時に「本ノ字饅頭(まんじゅう)」(1個=119円)を買い求める客が殺到し、急きょ整理券を配布するほどに。総務部部長の河合正規さんは「4000個を準備したが、1時間ほどで売り切れてしまった」と話す。その後も数時間に亘って行列が続き、初日は大勢の客でにぎわった。

 開店を待っていた和歌山市在住の70代女性は「『本ノ字饅頭』とプリンを買いに来た。東京にいる孫に頼まれているので、プリン20個を送ってあげるつもり」と笑顔を見せた。

 店頭に並んだ商品は、事業停止前から在籍していた職人が作る。「プリン」(5個入り、864円)、「水羊羹(ようかん)」(5個入り、864円)、「ブッセ」(141円)、「和歌浦煎餅(せんべい)」(2枚包み、54円)、「古代伏見羊羹(ようかん) 大納言」(702円)など。

 「紀州の和菓子と文化を考える会」代表で和歌山大学経済学部客員教授の鈴木裕範さんは「550年余りの歴史を持つ和菓子店が、創業の地である駿河町で営業再開できたのは喜ばしいこと」と駿河屋復活を歓迎する。店舗前の行列を目の当たりにして、「小売り業態の変化により、和菓子はスーパーやコンビニでも買えるようになった。そんな状況下でも消費者が対面販売を求め、来店してくれているのは大きな意味がある」と話す。

 営業時間は9時~18時。日曜定休。