和歌山公園動物園(和歌山市一番丁)で7月20日、動物の園長を決める選挙が行われ、ツキノワグマのベニーが初代動物の園長に当選した。
同園100周年事業の一環で、和歌山市と市民ボランティア団体「わかやまフレンZOOガイド」が協働で選挙を企画した。小学2年生から大人まで、同団体メンバーが推薦したミーアキャット、アヒル、ヤギ、ツキノワグマ、ヒツジ、アメリカビーバーの6陣営が出馬した。
投票は18日と19日(期日前投票)と20日の合わせて3日間。水鳥を中心に飼育する「水禽園」内に、和歌山市が用意した実際の選挙用の記載台と投票箱を設置し、来園者には各候補動物の推薦文が書かれた「選挙公報」が配られた。
有権者は来園者全員で、年齢、性別、国籍不問。乳児から高齢者まで700人以上が実際に動物を観察したり推薦文を読んだりした後、候補動物から1種を選んで投票箱に一票を投じた。
3日間の総投票数は719票。ツキノワグマのベニーは263票(得票率36.6%)を獲得し、同園の初代園長に当選した。次点は130票(得票率18.1%)を集めたミーアキャット。
ツキノワグマの推薦人で応援演説をした小学2年生のガイド、西岡優さんは「ほかの動物たちも、かわいかったりかっこよかったりしたので心配だったが、ベニーちゃんが園長に選ばれてうれしい。私も動物ガイドとして、ベニーちゃんやほかの動物の魅力をもっと知ってもらえるようがんばりたい」と笑顔を見せる。
同団体事務局長の後藤千晴さんは「わざわざ選挙のために来園してくださった方もいて、多くの人に親しまれる動物園だとあらためて認識した。ただ『かわいい』というだけでなく、動物の特性や個性を知った上で投票してもらえたのがうれしい」と話す。
園長に選ばれたツキノワグマは今後、園の広報物などに登場して動物園と動物たちの魅力を伝える活動に取り組むという。