和歌山市のぶらくり丁商店街アーケード下で11月8日、「第3回リノベーションスクール@Wakayama」の最終プレゼンテーションが行われた。主催は和歌山市、企画・運営はリノベリング(東京都)。
同スクールは、ワークショップ形式で実在する遊休不動産の活用を考えるプログラム。昨年2月に第1回が開催され、今回で3回目を迎えた。
29人の受講生はA~Dのユニット(グループ)に分かれ、対象物件の見学や講師陣によるライブアクト(勉強会)など3日間に渡るプログラムを完了した。最終日には、不動産オーナーや集まった約100人の市民に事業計画を発表。商店街のアーケード下で行われたこともあり、足を止めてプレゼンに聞き入る通行人の姿も見られた。
同スクールの対象となった物件は、プレゼン会場となったぶらくり丁商店街に1件、市堀川沿いの物件が3件の計4件。
ユニットAは市堀川沿いの「ミートビル」(卜半町)を「肉を食べておしゃれに泊まれる大人のデートスポット」として、地階をバーに、1階・2階を飲食店に、3階・4階をホテルにするプランを提案した。
ユニットBはぶらくり丁内の「中川ビル」(匠町)をリーシングスペース、スタジオ、カフェ、フリースペースにすることで、母親が子どもを連れて過ごせる空間を示し、来年7月のオープンを宣言した。
ユニットCは旧ドコモビル(杉の馬場)近くに酒造があることから日本酒バーを提案。水辺に面したロケーションを活かし桟橋のように川に迫り出すデッキで生演奏を楽しむなど、新たな水辺の過ごし方を示した。
ユニットDは同スクール初の公共空間・京橋駐車場を公園やカフェ、カヌー体験や乗船など水辺を楽しむスペースにする案を示し、「水辺のまち和歌山」のPRについて提案した。
ユニットBメンバーで、ベビーダンスインストラクターの岡崎麻希さんは「受講によって、漠然とやりたいと思っていたことが明確になった。スクールの仲間の後押しもあって、私自身が入居者になってスタジオプロデューサーになる決心ができた。ぶらくり丁は子どものころよく遊んだ場所。母親と子どもが安心して過ごせる空間を作って盛り上げたい」と意気込む。
ユニットマスターで、河川利用PRプロジェクト「ミズベリング」のディレクターを務める岩本唯志さんは「こんなに『水辺』で盛り上がったリノベーションスクールは初めて」と笑顔を浮かべる。「水辺の魅力は、地元の人が盛り上がれば伝わる。今回の提案をきっかけに、和歌山の水辺が盛り上がれば」と話す。
最終プレゼンの様子は「YouTube」でも視聴できる。