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和歌山市立博物館で「徳川吉宗と紀州の明君」展 8代将軍就任300年で

和歌山市立博物館で初公開となる、吉宗が再興した「打毬」を描いた資料(中尾松榮筆)

和歌山市立博物館で初公開となる、吉宗が再興した「打毬」を描いた資料(中尾松榮筆)

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 和歌山市立博物館(和歌山市湊本町、TEL 073-423-0003)で4月16日、春季特別展「徳川吉宗と紀州の明君(めいくん)」が始まった。

エントランスには吉宗の肖像と写真が撮れるスポットも

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 徳川吉宗は1684(貞享元)年、紀州藩第2代藩主・徳川光貞の四男として和歌山城下の吹上御用屋敷で誕生した。相次いで兄が亡くなったため、1705(宝永2)年に22歳で紀州藩5代藩主に就任。1716(享保元)年に江戸幕府8代将軍に任命され、享保の改革を行ったことで知られる。今年は吉宗将軍就任から300年に当たる。

 同展では、吉宗が紀州藩主を務めた当時の資料をはじめ、家来が残した遺品や当時の町の様子がわかる絵画や資料を展示する。吉宗とともに「紀州徳川家の明君」と伝えられる初代紀州藩主・頼宣、9代藩主・治貞に関する資料も並べ、吉宗に影響を与えた人物や環境、吉宗に影響をうけた後世の資料を紹介する。

 学芸員の佐藤顕さんは「吉宗は財政を再建した政治手腕で知られるが、若い頃は武芸に優れ、その馬術を見た父・光貞が『跡取りでないのが残念』と言ったとされている。『打毬(だきゅう)』(イギリスのポロに似た競技)と呼ばれる馬上競技を再興したことでも知られている。一方で藩校を設け刑法や学問を奨励した、まさに文武両道の明君だった」と話す。「テレビドラマの主人公としても有名な吉宗だが、紀州徳川家は吉宗だけが優秀だったわけではない。本展は吉宗に大きな影響を与えた偉大な祖父・頼宣と、吉宗に影響を受けた9代・治貞の2人の明君の資料から、吉宗を輩出した紀州徳川家の歴史を垣間見ることができる。吉宗だけではなく、紀州藩の歴史も学べる展示となっているのでぜひ足を運んでほしい」と呼び掛ける。

 4月24日は、関西大学准教授の小倉宗さんによる講演会「将軍徳川吉宗の改革政治」(14時~15時30分)を行う。

 開館時間は9時~17時(入館は16時30分まで)。月曜・4月30日・5月6日休館。入館料は、一般=100円、高校生以下・障害者・高齢者優待利用券持参者無料。

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