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和歌山・高野町の廃校舎が撮影スタジオに 駅チカ木造校舎に注目集まる

白藤小学校の校舎内で撮影する花谷さん(左)とコスプレイヤーのてらってぃーさん

白藤小学校の校舎内で撮影する花谷さん(左)とコスプレイヤーのてらってぃーさん

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 和歌山・高野町の旧「高野町立白藤小学校」(伊都郡高野町)で、校舎を写真スタジオとして貸し出す取り組みが始まって2カ月がたった。

霧に包まれる校舎(標高は370メートルほど)

 1878(明治11)年3月に神谷小学校として創設した同校。1927(昭和2)年のピーク時には152人の児童が在籍したが、1997年に廃校となった。その後は地元町内会が管理・運営していた。

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 大阪在住で、全国の廃校や廃墟などを撮影するアマチュアカメラマンの花谷吉幸さんが同校を訪れたのは約2年前。高野町に写真撮影に訪れた際、校舎内の撮影を町役場に願い出たという。

 最寄りの紀伊神谷駅からも徒歩約10分と大阪からのアクセスも良かったこともあり、何度も通ううちに花谷さんは「こんなに保存状態が良い木造校舎は全国的にも珍しい。自分だけで使うのはもったいない」と考えたという。「写真スタジオとして開放すれば他府県からも人が来るはず。お世話になっている町内会の皆さんのお役に立ちたいと思った」とスタジオ利用を提案した動機を振り返る。

 廃校利用について検討していた同町は花谷さんの申し出を受け入れ、写真スタジオとしての貸し出すことを許可。花谷さんは校舎内を掃除し、教室や理科室、音楽室、体育館を使えるように整備していったという。

 花谷さんが「白藤小学校写真部」のウェブサイトを立ち上げ、写真仲間に呼び掛けると、撮影希望者が集まるようになった。現在は、モデル、コスプレ、ドールなど、さまざまなジャンルの撮影が行われている。

 大阪からやってきたコスプレイヤーの「てらってぃー」さんは「木造校舎の中に入るのは初めて。とても静かで撮影に集中できて最高の環境だ。大満足」と笑顔を見せていた。このほか、岩出市在住のカメラマンと大阪や神戸から来たコスプレイヤーのグループも「ツイッターで8月の上旬から予約が始まるという投稿を見て、ずっと待っていた。予約開始日にはパソコン前で待機してすぐに予約した」と話す。

 花谷さんは「撮影に集中できるよう、現在は1日2組のみに限定している。そうした利用制限が功を奏したのか、あっという間に予約が埋まる状態になった」と反響の大きさに驚いているという。「地域住民には『コスプレの人が来るよ』と説明はしているが、車道から見たらびっくりする人もいるので、ルールを守って撮影を楽しんでもらっている。『大阪から1時間半でこんな場所があったのか』と驚く人も多い。地域の人と話し合いながら、地域活性化につなげていければ」とも。

 利用可能日は月2回。無料。申し込みはウェブサイトまで。