JRきのくに線海南駅以南の特急「くろしお」停車駅で12 月17日、ICOCA(イコカ)などのIC乗車券が利用できるようになった。
JR西日本和歌山支社は、昨年8月に和歌山~海南駅間でIC乗車券を導入。これで全ての特急停車駅がIC乗車券対応となった。新たに対応した駅は箕島駅、藤並駅、湯浅駅、御坊駅、南部駅、紀伊田辺駅、白浜駅、周参見駅、串本駅、古座駅、太地駅、紀伊勝浦駅、新宮駅の13駅。県内80駅中26駅がIC乗車券に対応した。
公共交通に詳しい和歌山大学地域連携・生涯学習センター講師の西川一弘さんは「きのくに線は観光路線でもあり、県外利用者には朗報。同じ日から実施される『チケットレス特急券』とイコカを組み合わせて利用すれば、みどりの窓口に並ぶ必要が無くなった。外国人観光客の増加や駅の合理化が進む中、みどりの窓口の待ち時間の長さが解消される」と話す。「今回の拡大は利用促進の意味もあるが、交通系ICカード、買い物系カード(nanaco、WAONなど)、ポストペイなど電子マネー競争にも影響がある。沿線で展開する地元スーパーでも交通系IC等が使えるようになり、和歌山県内の利用者の取り込みを狙う一面もあるだろう」とも。
JR和歌山支社営業課の山本武さんは「特急列車がよりスムーズに利用できるようになった。京阪神の移動を後押しし、地元経済の発展につながれば、これからも利用者の利便性向上を目指したい」と話す。
同社ではICエリア拡大を記念し、箕島~新宮駅でイコカ購入客に、同特急の車種289系のストラップを数量限定で進呈する。イコカは古座駅、太地駅以外のIC乗車券対応駅で購入可能。