和歌山・串本町の「潮岬望楼の芝」(東牟婁郡串本町潮岬)で1月28日、「本州最南端の火祭り」が行われ、県内外から多くの観光客が集まった。主催は串本町観光協会。
「望楼の芝焼き」として約30年前に始まった同行事。放牧場の害虫駆除と牧草の新芽発育のため昼間に芝を燃やしていたが、2001年から「本州最南端の火祭り 風・音・炎の祭典」と名称を変更した。
当日は日没前の16時30分から「串本節保存会」や「岬節保存会」「トルコ民族舞踏団」がそれぞれ歌や踊りを披露。トビウオのすり身が入った地元名物「しょらさん鍋」の振る舞いや「餅まき」で訪れた大勢の見物客を楽しませた。日が沈み始めた17時30分ごろには県立串本古座高校弓道部員が火の付いた矢を放ち、辺り一面の芝に火付けを行った。夜のとばりが下りた3万坪の芝生に炎が広がり、観光客は幻想的な風景を楽しんだ。
会長の島野利之さんは「今週は寒い日が多く、白浜町周辺でも雪が降ったので開催できるか不安だったが、天候に恵まれ無事開催できてよかった」と話す。
名古屋から親子で見物に来た女性は「これだけの広大な範囲の芝焼きは初めて。ゆっくりと燃え広がっていく様子がすごい」と驚いていた。大阪在住の女性は「火矢から辺り一面にゆっくりと円を描くように火が燃え広がり幻想的だった。介護用歩行器具も買ってもらったから来年もぜひ来たい」と笑顔を見せた。