日本サッカー協会、和歌山で「タウンミーティング」 県内の指導者と意見交換も

ミーティング参加者の質問に答える登壇者たち

ミーティング参加者の質問に答える登壇者たち

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 日本サッカー協会(JFA)と和歌山県サッカー協会(WFA)の共同主催による「サッカーファミリータウンミーティング」が7月15日、ダイワロイネットホテル和歌山(和歌山市七番丁)で開催された。

登壇者と関係者・参加者が集まって記念撮影

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 「サッカーファミリータウンミーティング」は日本サッカー界の発展を目的に、JFAと各都道府県のサッカー協会、サッカーの現場で活動する参加者が意見交換する場。昨年9月の兵庫県開催を皮切りに、和歌山県で30回目。当日は86人のサッカー関係者が集まった。

 WFA会長の中村源和さんがあいさつし開会を宣言。第1部は「日本サッカーのより一層の発展に向けて」と題し、JFA会長・田嶋幸三さんが講演した。

 田嶋JFA会長は日本サッカー界の現状を報告。「世界の流れに遅れを取るとガラパゴス状態に陥る。世界基準に照らし合わせた若年層の育成やレフェリー・指導者の育成など対策が必要」と話した。JFAの最重要課題として「魅力ある代表チーム作り」を挙げた。「グラスツール(草の根からの支援や普及活動)なくして、代表強化やサッカー振興はない」と話し、子ども向けの活動や障がい者サッカーについて、映像を交えて説明した。

 第2部は会場に集まった指導者やサッカークラブ運営者、行政関係者らと意見交換を行った。

 関西サッカーリーグ1部「アルテリーヴォ和歌山」のゼネラルマネジャー・児玉佳世子さんが「Jリーグ昇格には、『天然芝のグラウンド設備』などライセンス基準を満たす必要があり資金的に難しい。障がい者スポーツや、高齢者の健康促進も支援してきたが、理解や認知を得られないことも多い。地域活性化やまちづくりに貢献する方法を模索している」と発言すると、田嶋JFA会長は「チームが強くなれば住民や行政が注目する。持続可能なチーム経営や収益モデル、地域経済への具体的な効果を自治体や企業に説明できれば反応も変わるだろう」と話した。JFA専務理事の岡島正明さんは「行政の支援を要請する場合、サッカー専用グラウンドではなく、他の球技との連携し球技専用競技場として提案する方法もある」と助言した。

 今年2月、「上富田スポーツセンター」(上富田町朝来)にJ3リーグ所属の「長野パルセイロ」の合宿を受け入れた上富田町の小出隆道町長は「滞在中には子どもたちにサッカー指導するなど、チーム全員で町民と積極的に交流してくれた。スポーツ施設に選手が集まれば、町全体が活気づく」と報告。「協会の方々やサッカーに関わる皆さんに足を向けて寝られない」と話すと会場が笑いに包まれた。

 閉会後、田嶋JFA会長は「紀の川市の河川敷でサッカーをする子どもたちを見て来た。泥にまみれながら、キラキラした目で駆け回る姿に、サッカーの魅力をあらためて感じた。会長として、未来ある子どもたちの育成を進めたい」と話す。「当協会のシンボルは熊野三山の『八咫烏(やたがらす)』と関わりが深く、日本に近代サッカーを広めた中村覚之助さんも那智勝浦町の出身。日本サッカーの重要な歴史を担う和歌山県には、ぜひ今後のモデルになるサッカー施設の設立を期待したい」とも。

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