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和歌山・紀三井寺で恒例の「千日詣」 初の「龍宮乙姫龍灯献上行脚」も

本堂の前で舞を披露する乙姫一行

本堂の前で舞を披露する乙姫一行

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 救世観音宗(ぐぜかんのんしゅう)総本山「紀三井寺」(和歌山市紀三井寺)で8月9日、恒例の「千日詣(せんにちまいり)」が行われた。

たくさんの人が集まった「福棒投げ」

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 770年(宝亀元年)に唐の僧・為光上人が開いたという同寺院。正式名は「紀三井山金剛宝寺護国院(きみいさんこんごうほうじごこくいん)」。「清浄水」「吉祥水」「楊柳水」の3つの井戸(三井水)があることから紀三井寺と呼ばれる。

 「一日の参拝で千日分の功徳を得られる」とされる「千日詣」は毎年8月9日に行っている。同寺院を開いた為光上人が写経をしていると、龍宮の乙姫が現れ「海の近くで龍宮を見守る名草山に、観音の霊場が建立されるのを待っていた。8月9日は願いが果たされた喜びの日、毎年龍宮から海の中でも消えない龍灯を献上する」と伝えると「清浄水」の辺りで身を消したとの言い伝えに由来する。

 この日は、地元の子どもたちによる紀三井寺和讃(わさん)奉納や貴志川太鼓「天つ久」による奉納太鼓、初めての試みとして「龍宮乙姫龍灯献上行脚」も行われた。

 同行脚は4月に同寺院で舞踏イベントを行った「Eva.Oriental Dance Studio(エヴァ オリエンタル ダンス スタジオ)」がプロデュース。龍灯を持つ乙姫と女官たちが正面石段を登ってくると、参詣者からは歓声が上がった。参詣者は「昔から住んでいても千日詣の由来は知らなかった。実際に見られてよかった」「すごくきれいで、来年もやってほしい。このまま続けてもらえたら」などと話していた。

 紀三井寺副住職の前田泰道さんは「紀三井寺に伝わる千日詣の由来は古くからの信徒さんでもあまり知らない。それを知ってもらうなら、実際に演じて見てもらうしかないと思っていた。ダンサーのエヴァさんに声を掛けてから、数カ月で現実になった。竜宮の乙姫が龍灯を献上するところを参拝する皆さまに見ていただき幸せになってもらいたい」と話す。

 乙姫を演じた同スタジオ代表のEva,香陽さんは「私たちにとっても初めての試み。副住職の大切な思いを伝えるべく、ダンスをはじめ、衣装も手作業で明け方まで調整した。協力できたことを誇りに思う」と笑顔を見せる。

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