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和歌山・紀の川市に家具と雑貨の店「アクティブゾーン」 若手伝統工芸士が開店

ロックグラスとカッティングボードを手にする、店主で伝統工芸士の東福太郎さん

ロックグラスとカッティングボードを手にする、店主で伝統工芸士の東福太郎さん

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 和歌山・紀の川市にキリ材を使った雑貨と家具のセレクトショップ「Active Zone(アクティブ ゾーン)」(紀の川市名手市場、TEL 0736-75-3600)がオープンして1カ月がたった。経営は「家具のあづま」。

店舗外観

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 店内にはキリ製品や家具、全国各地の職人が作った製品など150点以上が並ぶ。店舗面積は約73平方メートル。店舗も店主の東福太郎さんの手作りで、建築士の兄と知人の大工の協力を得て建てたという。

 同社は1891(明治24)年創業の材木問屋。4代目の福太郎さんは紀の川市出身の伝統工芸士。大学で犯罪心理学などを専攻していたが、きりだんす作りの技術や魅力、キリ材の奥深さを知り、「伝統を受け継ぎ、次世代に渡さなければ」と決意したという。京都の専門学校で技術を学び、京指物の職人に師事して家業を継いだ。たんす以外の家具づくり、漆の技法、建築技術などを習得し、2010年に「京の伝統工芸新人作品展 最優秀賞」、2011年に「第26回国民文化祭 京都2011美術展『工芸』 南丹市長賞」を受賞、トヨタ自動車主催の「LEXUS NEW TAKUMI PROJECT 2017」51人の職人に選ばれた。現在は県指定重要文化財「名手八幡神社」の内装工事など、宮大工としての仕事にも取り組む。

 東さんは「キリ製品は高級品というイメージがついて回るので、誰にでも気軽に使ってもらえるよう、ロックグラスやカッティングボードを作った。セレクト商品は地元の特産品だけではなく、全国の商品を扱うが、直接会って話をした職人の品をそろえた」と話す。

 来店者の注目を集める「桐の器」は、ロックグラスとして使うことを想定し、厚さ1ミリの呑み口と約24グラムの軽さを実現。クラウドファンディングでは開始7時間で目標金額を達成した。販売する商品は「ぐい飲みペア」(10,800円)、「ぐい飲み 拭きうるし仕上げ」(16,200円)、「ぐい飲み 拭きうるし仕上げ/ツートンカラー」(19,440円)など。そのほか「桐のカッティングボード」(5,940円~8,100円)、「梅炭素で作られたふきん」(726円)、「奈良吉野いしいの柿バター」「無添加のいちじくジャム」(以上648円)なども取り扱う。

 東さんは「木材は微量ながら人体に有害なホルムアルデヒドを含むが、キリには含まれないので人や環境に優しく、エコロジーの時代にぴったり。キリの3つの成分『セサミン』『タンニン』『パウロニン』は防虫、殺菌、消臭に効果があるといわれている。キリの性質や魅力と共に、全国各地の魅力あふれる製品から、職人の技と心を感じ取ってもらえたら」と話す。

 営業時間は9時~18時。火曜定休。

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