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「災害を伝える」テーマに 和歌山・広川町の「稲むらの火の館」で防災講演会

市民に講演する龍谷大学政策学部・石原講師

市民に講演する龍谷大学政策学部・石原講師

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 第10回「稲むらの火講座」が3月10日、「稲むらの火の館」(有田郡広川町)で行われた。

津波防災教育センター内の様子

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 同町出身の濱ロ梧陵は、1854年の安政南海地震で津波が発生した際に、稲むらを燃やし、暗闇の中にいた多くの村人を高台の神社に避難させた。その後も、農具や漁具を失った村人たちが失業しないよう堤防づくりを事業にするなど、村人の生活を守り、復興に尽力した。その偉業や精神、教訓を受け継ぐため、町は濱ロ梧陵記念館と津波防災教育センターで構成する同館を2007年4月に開館した。

 同講座は2014年にスタート。これまでに「南三陸ホテル観洋」(宮城県南三陸町)のおかみ・阿部憲子さんや関西大学社会安全学部准教授の奥村与志弘さんらを招いた。第10回の講師は龍谷大学政策学部講師の石原凌河さん。石原さんは、2016年から関西大学と連携し、町立広小学校の児童が来館者にクイズやガイドを行う「こども梧陵ガイド」を指導する。

 講座は「災害の記憶を未来へ伝えるために 災害を伝えるメディアに着目して」と題して、石原さんがかつて勤務していた「阪神・淡路大震災記念 人と防災未来センター」(兵庫県神戸市)での取り組みをはじめ、東日本大震災や日本各地で起こった災害を物語る写真や場所、影響を受けた人々の思いなどを、事例を挙げながら紹介した。

 石原さんは「展示で伝えられることは限られ、災害を思い出したくない人などそれぞれに思いがある。現地の建物を見に行くだけでは、何が起きたのか伝わりにくい。語り部の話や、そのものが持つエピソードも合わせて伝えていかなければ」と話す。

 参加者からは「数年前の災害もそうだが、原爆への関心も薄れている。紹介にあった外所大地震追悼供養碑のように、50年ごとに碑を建てて伝えていくのは良い」と意見が出た。

 開館時間は10時~17時。月曜休館。記念館は入館無料、津波防災教育センターは一般=500円、高校生=200円、小・中学生=100円。

※「安政東海地震」を「安政南海地震」に訂正しました。(3月13日 12:00訂正)

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