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広川町に宿泊施設付きレストラン「潮香」 日本遺産構成文化財を改装

レストラン「潮香」のシェフ金丸涼さん

レストラン「潮香」のシェフ金丸涼さん

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 広川町役場近くに宿泊施設付きレストラン「潮香(しおか)」(広川町広、TEL 0737-63-1920)が9月2日オープンした。運営は「光志」(同)。

蔵を一棟活用し、「網」をコンセプトに子どもから大人まで楽しめるコンセプトルームへ改修した客室

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 2018(平成30)年に登録された日本遺産「百世の安堵」の構成文化財の一つ「旧戸田家住宅」を改修した同店。戸田家は漁業が盛んな広川町で漁網工場を経営していたことから、施設のコンセプトはつながりや回復力を想像させる「網」に設定。デザインに網床(あみどこ)やマリンランプを使用するほか、当時の編み機など資料を展示する。延べ床面積は約790平方メートル。席数は10席。

 敷地内に宿泊施設「いさり」やコミュニティースペースを併設し、レストランと宿泊施設は一体に見立てた「オーベルジュ運営」を行う。レストランはランチ、ディナー共に宿泊者以外も利用できる。料金は、ランチコース=3,800円~、ディナーコース=1万3,000円。宿泊施設は広さや間取りの異なる4室を備える。

 料理長の金丸涼さんは福井県出身。2015(平成27)年からフランスに渡り、「ミシュランガイド」1つ星レストラン「ラクセル」などで修業してきた。今年、帰国し、広川町に移住して同店の調理場に立つ。

 金丸さんは「広川町に来てから、フランス料理の中に和歌山ならではの味を出すため、地元食材や和歌山発祥の発酵食品、調味料を研究し、メニュー開発を進めてきた。フランス料理が初めての人でも安心して食べられるよう工夫する。子連れも大歓迎。肩肘張らず、楽しみながら季節の食材を味わってもらいたい」と話す。

 施設設計を担当した「つぎと」(大阪府)の遠藤雄飛さんは「当時の趣を残しながら2階建ての蔵を改装するなど、各部屋に趣向を凝らしている。施設内で遊び、会話が弾む時間を過ごしてもらえたら。コミュニティースペースではイベントを企画するなど、さまざまな人がつながるまちづくりの拠点になる施設にしていきたい」と話す。

 営業時間は、11時30分~15時、18時00分~22時30分、火曜・水曜定休。予約制。

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