見る・遊ぶ 学ぶ・知る

和歌山県立近代美術館で企画展「なつやすみの美術館」 美術と歴史をテーマに

1913(大正2)年の和歌山市街地図の上で解説する青木学芸員

1913(大正2)年の和歌山市街地図の上で解説する青木学芸員

  • 3

  •  

 企画展「なつやすみの美術館15 美術の歴史と歴史の美術」が7月12日、和歌山県立近代美術館(和歌山市吹上1、TEL 073-436-8690)で始まった。

「なつやすみの美術館15 美術の歴史と歴史の美術」展示の様子

[広告]

 「なつやすみの美術館」は、毎年異なるテーマで美術の多様な楽しみ方を提案する恒例の企画展。2011(平成23)年に始まり、今回で15回目。2013(平成25)年からは学校教員や有志が集まる「和歌山美術館教育研究会」が作成した「展覧会鑑賞ワークシート」を配布している。同会メンバーが4月からおよそ3カ月かけ、学びを促す問いを用意する。近隣の学校が夏季休暇中の宿題に指定しているが、一般来館者も手に取ることができる。今年は「美術と歴史のつながり」をテーマに、同館のコレクションから71作家、242点の作品と資料21点を展示する。

 展示は「美術の歴史?」「日本と『外国』」「歴史の美術?」「ここから見る」「○○の歴史と美術」の5章で構成。学校教育では別科目として扱う美術と歴史を、美術から見る歴史、歴史から見る美術と異なる観賞を提案する。同館が所蔵する明治以降を中心にした美術作品や資料をテーマごとに展示し、戦争や移民、欧米化など、近代の日本と世界を美術作品から読み解く。4章の「ここから見る」は和歌山をテーマにした展示で、小企画展「和歌山をめぐるローカリズムとモダニズム」を兼ねる。展示室中央には大正時代の和歌山城周辺の地図を配置し、地図の上を歩き回れるようにするほか、壁面のそれぞれの方角に同時代の街並みのスケッチを展示する。

 会期中、学芸員によるギャラリートーク(8月24日、9月13日)、和歌山大学美術館部による「たまごせんせいとわくわくアートツアー」(8月13日~17日)、小学生向けの「こども美術館部」(9月13日・14日)などの関連イベントも開催する。

 同館学芸員の青木加苗さんは「歴史をテーマにすることで、なかなか肖像画など、さまざまな作品を展示できた。大人もワークシートを手に作品を鑑賞して、子どもたちと一緒に学んでもらえたら。会場内に皆さんの意見や感じたことを貼り出すスペースを設けたので、たくさんの人に参加してほしい」と話す。「美術を通して歴史に、歴史を通して美術に、興味を持ってもらえたら。見る人たちそれぞれが何かに気付き、見方が変わるきっかけになれば」と話す。

 開館時間は9時30分~17時(入館は16時30分まで)。月曜休館(祝日の場合は翌火曜)。観覧料は、一般=600円、大学生=330円。高校生以下、65歳以上、障害者は無料。9月15日まで。

エリア一覧
北海道・東北
関東
東京23区
東京・多摩
中部
近畿
中国・四国
九州
海外
セレクト
動画ニュース