「あら川の桃」で知られるモモ生産地の和歌山県紀の川市で3月23日、モモの花が開花した。
昨年の和歌山県のモモの収穫量は9360トンで、全国4位。その多くが同市内で栽培され、西日本一の生産量を誇る。「あら川の桃振興協議会」によれば、残されている文献では1782(天明2)年に同市内のあら川(現在の桃山町)で始まったとされる。
毎年4月に、モモの花が満開になったピンク色のモモ畑の風景を目当てに、例年県内外から多くの花見客が訪れる。特にモモ畑が一面に広がる紀ノ川左岸の「桃源郷」(桃山町)は「ひと目十万本」といわれるほど密集している。現在は早生(わせ)品種で花が咲き始めた程度で、つぼみが多く見られる状態。例年並みなら今週末から来週末にかけて見頃という。
モモの見頃に合わせ、4月2日は最初ヶ峰(さいしょがみね)山頂のサクラをライトアップする「百合山(ゆりやま)花まつり」を開く。同日、桃山グラウンド(桃山町段地先)でも「桃山まつり」を開く。
紀の川市職員の田村克之さんは「紀の川の堤防や井坂橋、百合山が特に美しい景色を楽しめる花見スポット。まつりでは、市の特産の植木販売やステージで多くの出し物を企画するなど一日楽しんでいただける。ぜひ『ひと目十万本』の絶景を見にきてほしい」と呼び掛ける。