和歌山県内の書店20店で7月16日、「わかやま絵本大賞2016」の読者投票受け付けが始まった。主催は一般財団法人「リビングソーシャルプロジェクト」(和歌山市湊本町1)。
同賞は今年で4回目。1年間に出版された絵本の中から、投票形式で書店員が10冊を選出し、来店客による店頭投票で「大賞」を決定する。昨年度は「りゆうがあります」(ヨシタケシンスケ)が大賞に輝いた。
本年度のノミネート作品は、「いってらっしゃい うんちくん」(ひさかたチャイルド)、「絵で見る魚市場の一日 築地市場」(小峰書店)、「オニのサラリーマン」(福音館書店)、「ゴリラのおとうちゃん」(こぐま社)、「とんでもない」(アリス館)、「なんにもできなかったとり」(NHK出版)、「はいてほしいくつしたのおはなし」(BL出版)、「ひよよのおやつ」(三起商工)、「まいごになったねこのタビー」(徳間書店)、「ママがおばけになっちゃった」(講談社)の10冊。
「いってらっしゃい うんちくん」の作者・ナカオマサトシさんは、和歌山県田辺市の出身。同賞が地元作家をノミネートしたのは初。ナカオさんは携帯電話向け小説でデビュー。2001年にはソニーデジタルエンタテイメント主催「ケータイ小説大賞」で審査員特別賞を受賞。その後、NHKで番組制作に関わり2012年に「うれないやきそばパン」(金の星社)で絵本作家デビュー、現在までに6冊の絵本を手掛けている。
絵本大賞にノミネートについてナカオさんは「地元で開催されるすてきな賞にノミネートいただきとてもうれしい。地元の子どもたちの目標になれるように、和歌山からもいろいろな職業を目指せるんだということを、自分の姿を見て感じてもらえたら」と話す
参加書店の「宮脇書店和歌山店」(和歌山市広瀬中ノ丁)児童書担当の枡岡由佳子さんは、「さまざまな出版社の作品に出合えることはとてもすてきなことだ。選定する私たちもとても楽しい」と笑顔を見せる。「普段、絵本を読まない大人も絵本の魅力に触れる契機にしてほしい。ちょうど夏休み期間なので子どもはもちろん、帰省中の人にも投票に参加してほしい」と呼び掛ける。
投票は同店のほか、和歌山県内の「TSUTAYA WAY」、「ブックアベニュー紀州屋」、「アミーゴイズミヤ店」など県内の書店と、「有田川町地域交流センター(アレック)」でも受け付けている。
大賞発表は9月15日を予定する。投票は8月31日まで。