和歌山市民会館近くの水門吹上(みなとふきあげ)神社(和歌山市小野町)で1月9日、十日えびすが始まった。
蛭兒神(ひるこ)が御祭神の水門神社と大己貴神(おおなむち)が御祭神の吹上神社が合祀(ごうし)された同神社。第2次世界大戦まではそれぞれ社殿を分け並べて祭っていたが、戦災で社殿が全て消失したことで戦後同じ社殿に祭られるようになった。蛭兒神は七福神・えびす、大己貴神は大黒天で、2柱の福の神を祭る神社は珍しい。
同神社は紀州の十日えびす祭り発祥の社で、この地方では十日えびすでは欠かせない「のし飴(あめ)」発祥の地ともいわれる。「のし飴」は紅白の棒状のあめをのしの形にした縁起物で、200円程度の小さなものから1万円の大きな板付きのものまで販売する。
訪れた参拝客らは本殿で手を合わせ、吉兆と呼ばれるササや熊手などの縁起物を買い求めて一年の福を願った。のし飴のほか、飲食店の屋台が並んだ参道は参拝を終えた人たちでにぎわいを見せた。
境内でのし飴を販売する男性は「今年は平日で、雨も降り寒くなったので例年より客足は少なめ。10日の本えびすが最も参拝客が多いので、いい天気になれば」と話す。
開催時間は9時~24時。今月11日(残り福)まで。