田辺市出身の絵本作家・ナカオマサトシさんが4月12日、10冊目の絵本「どんなくるま?」(パイインターナショナル)を刊行した。
ナカオさんは2007年に角川デジックス・バンダイネットワークス・公募ガイド社主催の「タイトルが先だ!文学賞」長編部門やソニーデジタルエンタテイメント主催「ケータイ小説大賞」審査員特別賞を受賞。その後、NHK Eテレ「シャキーン!」や「デザインあ」、DVD「こびと図鑑」などの制作を経て絵本作家となった。
ナカオさんは2012年、30歳で「うれないやきそばパン」でデビュー。その後6年で「どんどん くるくる」「ようかいばぁ」「ちょんまげとんだ」「いってらっしゃい うんちくん」「ぞうきんレスラー」「ようかいびっくりハウス」「ようかいでんしゃ」「わたしがノーベルしょうをとったわけ」を刊行した。
10冊目の「どんなくるま?」は動物を主人公に働く車を題材にした。パンダが乗る車は同じ白黒模様のパトカー、キリンは首の長いクレーン車など動物の特徴からどんな車かを想像する。そのほかウサギやイヌ、カバ、ゾウなどが登場する。
ナカオさんは「子どもの頃に母親が毎晩絵本を読み聞かせしてくれたことや、小学生時代の『ある物になりきって文章を書いてみよう』という宿題で、『扉』になりきった文章を書いたのが楽しかった記憶から絵本作家を目指した。絵本は文字数が少ないが、何度も何度も推敲(すいこう)を重ねて、完成させるのに3~4年かかった作品もある。どの作品も、大人が読んでも子どもに読み聞かせても面白い自信作」と話す。
「2016年には『いってらっしゃい うんちくん』が『第4回わかやま絵本大賞』をいただいた。翌年には龍神村を舞台とした『ようかいでんしゃ』を刊行できた。地元・和歌山の人とのつながりや応援がとてもうれしい。これまで和歌山県内で読み聞かせイベントを開いてきたので、10冊目刊行を記念して、全国で読み聞かせツアーもやってみたい」とナカオさん。
B5変形判、24ページ。価格は972円。TSUTAYA WAYガーデンパーク和歌山店、WAY書店TSUTAYA岩出店、宮脇書店和歌山店など県内の書店で販売している。