和歌山・有田川町の松本祐典さんが6月5日、「第17回わかやま環境賞」を個人で受賞した。
県が環境活動の紹介と推進を目的に、模範的な成果をあげた個人または団体を表彰する同賞。第17回の大賞は有田市立糸我小学校が受賞した。そのほか4団体が表彰された。個人で唯一受賞した松本さんは環境負荷の少ない無農薬でのみかん栽培や日常生活での先駆的なエコ設備の取り入れが評価され、「持続可能なライフスタイルの実践と普及に努めているモデル的な取組である」と評価された。
松本さんは有田市出身の33歳。大学在学中にワーキングホリデーを活用しニュージーランドで就労経験した。卒業後もオーストラリアで海外生活を経験し、暮らしや価値観に影響を受けたという。
帰国後、みかん農園「虹のネ農園」(有田川町)を立ち上げ、町内の飲食店の廃油を燃料にした「天ぷらカー」や太陽光で給湯を行う太陽熱ボイラーを導入した。そのほか地球温暖化防止の普及啓発活動や有田川町のまちづくりチーム「AGW」、被災者支援ネットワーク「にんにこ」に参加。昨年はおにぎりを地域の特産品にする取り組み「おむすびフェスタ」の実行委員にも参加した。
松本さんは「お金だけに頼らない暮らしをしたいと考えていた。オーストラリア滞在中に自然と調和した持続可能な暮らし方『パーマカルチャー』と出合って実践しようと思った。世の中の『エコ』が本当にエコなのかを考えるようになった」と話す。「それぞれの人に、自分らしく暮らしやすい生活がある。私にとってそれは、持続可能でエコな暮らしだったが、多くの人が自分の理想とする暮らしを実現するきっかけになれば」とも。