国指定重要文化財「旧中筋家住宅」(和歌山市祢宜、073-465-3040)で11月3日、「茶室へのお誘い」が開催される。主催は和歌山市教育委員会。
同茶会は、2010年から始まり今年で9回目。同年8月に住宅の修復工事が完了して一般公開が始まり、建物の雰囲気を生かし伝統的な行事を市民に楽しんでもらおうと始めた。
中筋家は、1585(天正13)年の羽柴秀吉による根来攻めを逃れ、根来から和佐地区に移ってきた文貞坊(ぶんていぼう)に始まるとされる。4代目良政が1687(貞享4)年に禰宜(ねぎ)村の庄屋となり、5代目良重が1750(寛延3)年に和佐組の大庄屋になってから明治まで6代にわたって大庄屋を務めた。
同住宅は、屋敷地が南北約57メートル、東西約40メートル、敷地面積約2200平方メートル。1852(嘉永5)年建築で20畳の大広間、望山楼を備えた主屋(おもや)のほか、蔵やみそ部屋、茶室、人力車庫などがある。戦後は楫本重一さんが所有し維持。2000年から和歌山市の管理となり修理事業を行った。
当日は主屋北側の4畳半の茶室で、表千家同門会和歌山県支部青年部のメンバーが茶会を行う。茶室には1席に4人~8人が入り、薄茶と菓子を振る舞う。
教育委員会文化振興課の冨永里菜さんは「茶会は敷居が高く感じるかもしれないが、毎年茶道経験のない人も多く来られる。11月3日は文化の日なので、江戸時代の大庄屋のお屋敷で伝統文化の茶道を体験してほしい」と呼び掛ける。
開催時間は10時~15時。先着70人。10時から整理券を配布する。一般は旧中筋家住宅入場料(100円)が必要。