丹生酒殿(にうさかどの)神社(伊都郡かつらぎ町三谷)で現在、境内の大イチョウが色づき、参拝者の目を楽しませている。
環境省の第4回基礎調査巨樹・巨木林調査報告書によると、同神社の大イチョウは樹齢300年以上、幹周り511センチ、高さ25メートル、枝張り20メートル。神社が周辺集落よりやや小高い場所にあるため、近くを流れる紀の川の堤防沿いの道からも見ることができる。イチョウの根元には「境内を黄に敷きつめて大いちょう」と刻まれた句碑がある。
同神社は、主祭神に丹生都比売大神(にうつひめのおおかみ)、配祀神に高野御子大神(たかのみこのおおかみ)、誉田別大神(ほんだわけのみこと)、建御名方命(たけみなかたのみこと)を祭る。1935(昭和10)年に丹生都比売神社(上天野)の末社として戦後に独立した。境内には1909(明治42)年に当時の兄井村から合祀(ごうし)された「鎌八幡宮(かまはちまんぐう)」がある。
かつらぎ町商業観光課の山本亜紀子さんは「一部緑が残るが葉が色づき見頃を迎えている。落葉はまだ少なく、歌のように一面黄色になるのはこれから。県内外からカメラを持ってたくさんの人が訪れる。12月15日まで夜間はライトアップもしているので、昼間とは雰囲気の違うイチョウも見てもらえれば」と話す。「道の駅などではミカンや柿など秋の味覚が並んでいるので、合わせて楽しんでもらいたい」とも。
見頃を迎え始めた25日の日曜日には、カメラを持って訪れる参拝客が続き、角度を変えては何度も撮影する姿が見られた。