和歌山城にある和歌山公園動物園(和歌山市一番丁)で12月20日、ツキノワグマの「ベニー」が冬眠に入った。
ベニーは1994年に来園した雌のツキノワグマ。体長約1.4メートル、体重約100キロ。2015年の「第1回動物園長選挙」で同園初の「動物の園長」に選ばれ、園の広報物に登場するなど活躍している。
ツキノワグマの寿命は20年~30年。同園では、推定年齢25歳のベニーを気遣い、寒暖の差が激しい気候や体調を考慮し例年より約1週間早く冬眠を決めた。飼育員が保温のためのわらを敷いて寝室の準備を始めたことに気付いたベニーはクマ舎の扉前で待機。扉が開くとゆっくりと中に入った。寝室に入るとわらをかいて寝床を整え冬支度した。
同園では1972(昭和47)年にクマの飼育を始めて以降毎年、歴代のクマを冬眠させている。ベニーは冬眠中、わらを敷いた寝室で2日に1回程度、サツマイモやパン、バナナ、クマ用ペレットを食べて春を待つ。冬眠期間は3月中旬まで。
和歌山城整備企画課の瀧本翔子さんは「今年は台風の影響で初めての臨時休園があった。夏は記録的な猛暑が続き大変だったが、ベニー園長は元気に見守ってくれた。冬の間に英気を養って、3月には元気な姿を見せてほしい」と話す。
開園時間は9時~17時。火曜休園。