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和歌山発「玉子せんべい図鑑」 有志が調査、18種のせんべいを掲載

「紀州の玉子せんべいずかん」を手にした「紀州の和菓子と文化を考える会」の皆さん

「紀州の玉子せんべいずかん」を手にした「紀州の和菓子と文化を考える会」の皆さん

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 「紀州の和菓子と文化を考える会」(事務局=和歌山市橋丁)が手掛けた無料冊子「紀州の玉子せんべいずかん」の配布が5月18日、始まった。

発行した「紀州の玉子せんべいずかん」

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 「玉子せんべい」は小麦粉、砂糖、卵、膨張剤を主原料にした菓子。せんべいは平安時代に弘法大師が中国から伝えたといわれ、和歌山では江戸時代後期に「総本家駿河屋」の絵手本に「卵せんべい」が登場するという。

 2014(平成26)年の「紀州の和菓子と文化を考える会」発足シンポジウムで、編集者の若菜晃子さんから「西日本では小麦粉を使ったせんべいが多く、和歌山では名勝の印を押したせんべいが多い」と聞いたのをきっかけに、同会有志メンバー7人が県内の玉子せんべいを調べ、冊子を制作した。

 冊子では、小麦粉、砂糖、卵、膨張剤など主な原料のみで製造・販売される玉子せんべいに絞り、11軒・18種類を掲載。各市町村に分けて店舗と実寸サイズの玉子せんべいを掲載し、食べ応えや製造方法などを紹介する。そのほか店舗を閉めたりせんべい作りを辞めたりして現在は手に入らないせんべいをアーカイブとして紹介する。

 企画者の山本智子さんは「一言に『玉子せんべい』と言っても形や焼き印が異なり地域性が出て面白い。思わずコレクションしたくなる」と話す。「職人さんの高齢化などで閉店する店もあり、今残さないとなくなってしまう。県内外の人に見てもらってお土産など選びに活用してもらえたら」とも。

 A5版、16ページ。発行部数は3000部。掲載店や観光案内所などで配布する。

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