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高野山で市民講座「高野山学」 鎌倉時代テーマに講義&現地学習

説明を聴きながら鎌倉時代の五輪卒塔婆を見つめる受講生

説明を聴きながら鎌倉時代の五輪卒塔婆を見つめる受講生

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 高野山大学(伊都郡高野町)で6月22日、高野山を学ぶ市民向け講座「高野山学」が開催された。

鎌倉時代の生活様式について講義を受ける161人の受講生

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 同講座は高野山の歴史と文化を体系的に学び、再発見することを目的として、2004(平成16)年に開講。高野町と同町教育委員会、高野山大学、総本山金剛峯寺が協力し開催する。今年は4月20日に開講し全11回。同大学の教員を中心に、和歌山県立博物館や根来寺文化研究所、高野山霊宝館などから講師を派遣する。今年は3回の現地での体験講座を行う。

 当日は、鎌倉時代をテーマに、午前の座学講座「鎌倉時代の中世高野山の生活史」に161人、午後の体験講座「奥之院の鎌倉時代の石塔を見て歩く」は定員30人に80人の応募があり、盛況となった。

 基礎講座では、同大学名誉教授の山陰加春夫さんが鎌倉時代の文献に基づき高野山を解説。約1000年かけ10代の若者の大学町として発展し、真理を追究する場として生活習慣や規律を重んじ、森林の保護など周辺環境の整備にも厳格なルールを設け維持してきたと説明した。山陰さんは「高野山学は文化・歴史だけでなく幅広い内容を含んだ学問で、2004(平成16)年から毎年開催しているが、まだ講義で触れていないことがたくさんあり、とても奥深い。繰り返し受講していただくことで高野山の歴史を深く知ってほしい」と話す。

 体験講座は、鎌倉時代の石塔に焦点を当て、参加者らが一の橋から奥の院まで歩いた。完全な形で残っている塔、時代別に組み合わせた塔、街道脇に横たわった塔など全18基の傘の形状や文字の美しさ、石の材質、銘文など鎌倉時代の特徴を解説した。テレビ番組で紹介された石塔もあり、受講生らは真剣なまなざしで説明を聞いた。講師を務めた同大学密教文化研究所の木下浩良さんは「過去から現在までの石塔がそろっている高野山は、全国的に見ても大変貴重。今回は鎌倉時代に焦点を絞ったが、まだまだ語り尽くせない。高野山には実際に歩いてみないと分からない魅力がたくさんある」と話す。

 開講日は、基本講座=7月20日、8月24日、9月21日、10月19日、11月16日(いずれも10時30分~12時)、中級講座=7月20日(13時~15時)、体験講座=7月5日、10月19日(事前申込制、有料)。受講料は、基本講座=各回1,000円、中級講座=各回2,000円。

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