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和歌山・有田川町の家具店「SIL」が1周年 木材パレットをアップサイクル

製作した家具を持つ宮尾隆弘さん

製作した家具を持つ宮尾隆弘さん

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 有田川町水尻公民館近くの家具製造・販売を行う「SIL(エスアイエル)」(有田川町水尻)が8月、オープン1周年を迎えた。

長年使われた木製パレットを加工して生まれ変わったベンチ

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 同店では、青果市場や運送業者から廃棄する木製パレットを引き取り、解体し、キズや汚れなど状態を見極め、成形や圧着、研磨などの加工を経て木材として再利用する。椅子やテーブル、棚として家具に生まれ変わらせ、販売も行う。廃棄予定物を加工し、価値のある製品として再利用するアップサイクルの技術や環境負荷の少ない取り組みが評価され、7月に和歌山県の産業表彰制度「1社1元気技術」に登録された。

 店主の宮尾隆弘さんは、知人から木製パレットの処分に困っていることやほとんどが焼却されていることを聞き、もったいないと感じ、同事業をスタートした。廃業する建具店から加工用の機械を譲り受け、使われていなかった農業倉庫を借りて工場兼店舗にした。

 販売する製品は、椅子、ダイニングテーブル、棚など。そのほか、店舗用の大型の棚やアウトドア向けの折り畳みテーブルなども製作する。現在は1点ずつ手作りで受注生産が中心のため、価格は製品により異なる(ベンチ=32,400円など)。

 宮尾さんは「パレットの加工には手間も時間もかかるが、長年の使用により、新しい木材には出すことのできない味が宿っている。世の中にはまだまだ捨てなくてもよいものがたくさんある。捨てられていくものに自分が手を加え、また誰かに大切に使ってもらえたらうれしい」と話す。

 営業時間は10時~19時。日曜・祝日定休。

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