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「和歌山市の昭和」刊行へ 600枚の写真で戦前戦後の和歌山市振り返る

モノクロ写真を展示する「TSUTAYA WAYガーデンパーク和歌山店」の入口付近

モノクロ写真を展示する「TSUTAYA WAYガーデンパーク和歌山店」の入口付近

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 昭和の和歌山市の写真600点を掲載した書籍「和歌山市の昭和」が9月18日、刊行された。発売元は「和歌山県教科書販売」(和歌山市北新金屋丁)、発行所は「樹林舎(じゅりんしゃ)」(愛知県)。

カラーで掲載された路面電車の走る風景写真など

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 「写真アルバム 昭和」シリーズの一冊。西日本を中心に各地で発刊しており、県内では2017(平成29)年に田辺市や新宮市、西牟婁郡、東牟婁郡を収録した「紀南の昭和」、2018(平成30)年に橋本市、紀の川市、岩出市、伊都郡を収録した「橋本・紀の川・岩出・伊都の昭和」を刊行した。

 同書では、戦前の和歌山市の写真をはじめ、戦災から復興する街の様子やそこで暮らす人たちの暮らしに解説を付け、昭和の間に移り変わった街の姿をたどる。そのほか、景勝地・和歌浦をはじめとする「海辺の景観」や戦後復興のシンボルとなった「和歌山城の再建」、「路面電車の音が聞こえた街角」など同市ならでは出来事をコラムで紹介する。

 監修は元和歌山県教育長の小関洋治さん。そのほか元県立和歌山商業高校校長の稲生淳さん、和歌山市立博物館学芸員の太田宏一さん、前和歌山市立博物館長の額田雅裕さん、建築史家の西山修司さん、和歌山大学紀州経済史文化史研究所特任准教授の吉村旭輝さん、鉄道愛好家の和田康之さんなど14人が執筆に参加した。

 樹林舎編集部の折井克比古さんは「県外の人間から見ると、堀止周辺などかつて路面電車が走っていた道が印象的だった。地図や写真を見比べると景色の変化が興味深い」と話す。

 小関さんは「新しい時代を迎え、追憶のかなたとなった昭和を追体験できる一冊。監修に関わって、大きく二つの節目を感じた。一つは、空襲の被害が大きく街の景色が大きく変わった戦前と戦後、もう一つはモノクロとカラーの節目だ。モノクロはカラーと比べ情報量は少ないが、その分じっくり見ると想像力をかき立てられる。市民の暮らしぶりや表情にも注目すると、モノクロなのにとても明るく感じた」と話す。「よりすぐりの600枚を楽しんでほしい」とも。

 書店「TSUTAYA WAYガーデンパーク和歌山店」(和歌山市松江)の水間淳司店長は「当店の予約だけで250冊と異例の人気ぶり。限定1500部という発行部数も影響したのか、他店にも予約が多く寄せられていると聞く。当店でも写真提供の依頼を掲示したり、ポスターやチラシでPRしたりと力を入れたが予想以上の反響」と話す。

 価格は9,990円。A4判、280ページ。

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